Photo:London Kettle
「キャンピングカーにFFヒーターは取り付けた方がいいの?」
「キャンピングカーのFFヒーターは安全に使えるの?」
そのようなご質問にお答えします。
本記事の内容
・キャンピングカーのFFヒーターとは?
・キャンピングカーにFFヒーターを設置する魅力と注意点
・キャンピングカーにFFヒーターを取り付けるには
過去に日本RV協会がおこなった「装着して一番良かった装備」のアンケートで1番に選ばれたことがあるほど、FFヒーターはキャンピングカーユーザーにとって便利な装備です。
実際には取り付けには高額の費用がかかったり、安全に使えるか不安で設置を迷われる方も多いでしょう。
そこで本記事では、キャンピングカーのFFヒーターについて魅力や注意点をご紹介します。
キャンピングカーにFFヒーターを取り付けるか迷っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
キャンピングカーのFFヒーターとは?
FFヒーターとは、エンジン停止中にも使用できる燃焼式の暖房器具です。
FFは「Forced draught balanced Flue systems(強制給排気式)」の略称で、ヒーター自体で換気ができるため、車内の換気を気にせず快適に過ごせます。
外から取り込んだ空気と、燃料を燃やして発生した熱で空気を暖め、ファンで車内に暖かい風を送るのがFFヒーターの仕組みです。
自宅のガス給湯器などと同じ仕組みで稼働しており、燃焼した排気ガスは車外へ出るため換気をしなくても一酸化炭素中毒の心配はありません。
使用できる燃料は大きく2つあり、特徴を知って自分のキャンピングカーに合うFFヒーターを選ぶことが必要です。
それぞれ詳しく見てみましょう。
FFヒーターの燃料|ガソリン・軽油
国産車の多くは、ガソリン・軽油を燃料としたFFヒーターが搭載されています。
ガソリンタンクの燃料をそのまま使えるため、FFヒーター用に燃料を補充しなくても車内を暖かく保つことが可能です。
使用しない時期も月1回程度は電源を入れてFFヒーターを稼働させなければいけませんが、燃費が良く給油もガソリンスタンドなどで気軽にできます。
FFヒーターの燃料|LPガス
LPガス式のFFヒーターは、LPガスボンベを積んでおく必要があり、スペースの限られた国産車には使用されることが少ない燃料です。
燃料の補充は専門業者に依頼しなければいけず、燃料代は割高になる可能性があります。
LPガスの充填に手間はかかりますが、使用しない時期のメンテナンスは必要ありません。
キャンピングカーにFFヒーターを設置する3つの魅力
多くのキャンピングカーユーザーがFFヒーターをおすすめしているのはなぜでしょうか。
ここではFFヒーターの魅力を3つご紹介します。
エンジン停止中も使える
通常、車に搭載されている暖房器具はエンジンの熱を利用して車内を暖かくするため、エンジン停止中は使用できません。
エンジンをつけたままであれば使用できますが、アイドリングになるため長時間はマナー違反です。
しかし、FFヒーターであればガソリンなどの燃料とサブバッテリーを使用するため、エンジン停止中でも稼働できます。
安全性が高い
特徴でもご紹介したように、燃焼で発生した排気ガスは車外に設置された排気口からすべて排出されます。
換気をしていなくても車内の空気が汚れず、一酸化炭素中毒の心配がありません。
車中泊の際、長時間窓を閉めたままでも、安心して使用可能です。
燃費が良い
ガソリンや軽油タイプのFFヒーターの場合、一晩つけたままでも1~2L程度の燃料しか使わないため燃費の良さが魅力です。
ガソリンタンクを満タンに給油しておけば、長時間でも気にせず使えます。
キャンピングカーのFFヒーターの注意点
魅力の多いFFヒーターですが、注意点もあります。
より安全に使用するためにも、3つの注意点を知っておいてください。
排気口がふさがれないようにする
FFヒーターの排気口がふさがれてしまうと、排出がうまくできずに車内に排気ガスが逆流する可能性があります。
豪雪地帯などに出かける場合は、雪で排気口がふさがれていないかこまめに確認しなければいけません。
サブバッテリーからの電力供給が必要
FFヒーターを稼働させるためには、サブバッテリーからの電力供給が必要です。
消費電力は少量ですが、メインバッテリーを使用するとバッテリー上がりの状態になりかねないので、停車中はサブバッテリーを使用します。
サブバッテリーの容量が空の場合、燃料だけではFFヒーターを快適に使用できない可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
価格が高額
FFヒーターは、少ない電力と燃料で長時間車内を暖められ魅力的ですが、価格が高額なのでよく考えて設置しなければいけません。
FFヒーター本体の価格20万円前後と、専門の業者に取り付けを依頼する費用が別途かかります。
冬場も車中泊を頻繁にするのか考えて、取り付けするか決めましょう。
キャンピングカーにFFヒーターを取り付けるには
FFヒーターは、購入時のオプションで設置を選べることがほとんどです。
購入時に取り付けなかった場合は後からでも設置可能ですが、本体代+取り付け工賃が必要になります。
種類にもよりますが、最も有名なドイツ・べバスト社のFFヒーターは本体価格が20万円前後するため、取り付け工賃も含めると平均で30万円程度はかかるでしょう。
また、キャンピングカーを業者に一定期間預ける必要があるため、預けている期間は使用できません。
購入時のオプションで設置を選んだ場合は、キャンピングカーの架装に合わせてFFヒーターを取り付けるため、本体代のみで工賃は必要ないことが多いです。
FFヒーターを設置する場合は、キャンピングカー購入時に取り付けた方がお得と覚えておきましょう。
DIYでも取り付けられる?
近年、ネットで購入した安価なFFヒーターを自分で取り付ける方も見受けられますが、専門知識がない場合はおすすめできません。
FFヒーターの取り付けは、ガソリンタンクと配管を繋いだり空気の排気口を設置するなど高い技術が必要です。
自分で取り付けをして万一不具合があった場合、一酸化炭素中毒などの命の危険に直結する可能性があります。
価格を抑えるのも重要ですが、安心安全にFFヒーターを使用するためにも設置は専門業者に任せましょう。
キャンピングカービルダーなどであれば、設置の相談や見積もりが可能です。
まとめ|FFヒーターは寒い冬の車中泊の必需品!
本記事では、キャンピングカーのFFヒーターの魅力や注意点、取り付けについてご紹介しました。
高額で気軽に取り付けられるものではありませんが、冬場の車中泊やキャンピングカーでスキーなどに出かける場合はとても重宝する装備です。
FFヒーターの設置は、キャンピングカーの使用頻度などと合わせて検討してみてください。
1971年北海道生まれ、サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。2016年ハイクラスキャンピングカーレンタル会社「北海道ノマドレンタカー株式会社」設立。ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信し、海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、北海道ニュージーランド化計画を推進中