コンテナハウス=安いというイメージから、税金も抑えられると思われがちですが、一般的な住宅と同じように税金がかかります。
知らずに購入すると住んでから後悔する可能性もあるので、税金について正しく把握しておかなければいけません。
そこで本記事では、コンテナハウスになぜ税金がかかるのか、税金の具体的な算出方法、税金がかからないパターンなどをご紹介します。
この記事でわかること
- コンテナハウスにも税金はかかる
- コンテナハウスの固定資産税を算出する方法
- コンテナハウスに税金がかからない2つのパターン
- コンテナハウスの税金に関する3つの注意点
コンテナハウスに関する税金の知識を身に着け、自分に合うかどうか検討してみてください。
1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
コンテナハウスにも税金はかかる
コンテナはもともと輸送を目的とした箱なので、それだけでは建築物にはあたりません。
そのため、「コンテナハウスには税金がかからないのでは?」と考える方もいるかと思います。
しかし、コンテナハウスにも固定資産税をはじめとする税金が、一般的な住宅と同じようにかかるのです。
知らないまま購入すると、毎年の出費が大きな負担になる可能性もあるので、理由をしっかりと理解しておかなければいけません。
コンテナハウスに固定資産税がかかる3つの条件
固定資産税は、「外気分断性」「土地への定着」「用途性」の3つで判断されます。
コンテナハウスはこれら3つの条件を満たしているため、固定資産税の課税対象になります。
外気分断性を備えている
外気分断性とは、雨・風・雪などから人や物を保護できる状態かどうかを意味します。
コンテナハウスには屋根があり、四方も壁に囲まれていることから、外気分断性を備えている建築物とみなされます。
土地に定着している
建築基準法では、地面に定着した時点で建築物として扱われるのが基本です。
コンテナハウスも土地の上に定着しているため、固定資産税の課税対象である建築物とみなされます。
家屋に用途性がある
コンテナハウスは住居や店舗、事務所などに使用するため、さまざまな内装を加えます。
たとえば、住居であれば電気やガス、水道などのインフラに加えお風呂やトイレなどが必要です。
また、部屋を細かく分ける場合は内壁、2階建にする場合は階段などもなければいけません。
このように、目的に合わせた内装を施している建築物は、用途性がある状態と言えます。
地域によっては都市計画税がかかる場合も
コンテナハウスを購入する場合、地域によっては都市計画税がかかることもあります。
都市計画税は市町村税の一種で、市街化区域内に土地・家屋を持っていると課税される地方税です。
固定資産税とダブルで徴収される可能性もあるため、事前に自治体窓口や不動産業者に確認し、都市計画税の課税対象になるのか問い合わせてみてください。
税金を抑えたい場合は、都市計画税の課税対象にならない地域を選ばなければいけません。
コンテナハウスの固定資産税を算出する方法
固定資産税は、「固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」で算出されます。
コンテナハウスと土地の両方に固定資産税がかかるので、それぞれの税額を把握しておくと安心です。
ただ、固定資産税評価額は家屋と土地で評価基準が異なるため、それぞれ正しい方法で割り出す必要があります。
コンテナハウスの評価額は「再建築価格方式」
コンテナハウスの評価額を算出する場合、「再建築価格方式」というやり方を用います。
再建築価格方式とは、評価対象と同じコンテナハウスを建てた際にどれくらいの費用がかかるのか算出し、それを元に計算する方法です。
算出した金額に対し、経年劣化などを考慮して最終的な評価額が決定されます。
「コンテナハウス購入金額の7割×1.4%」で計算すれば、コンテナハウスのおおよその固定資産税が分かるので試してみてください。
土地の評価額は「土地面積×路線価」
土地の評価額を算出する場合、「土地の面積×路線価」で算出します。
路線価とは、路線に面している宅地1m²あたりの評価額を指す値で、土地と面している道路の価値によって変わります。
道路の価値が高ければ高いほど、評価額も上がるのが特徴です。
そのため、土地は同じ場所にあっても周囲の状況などで路線価が変わる可能性もあります。
コンテナハウスに税金がかからない2つのパターン
コンテナハウスは、一般的な住宅と同様に税金がかかるとお伝えしました。
しかし、場合によっては税金がかからないパターンもあります。
各自治体によって基準は異なりますが、税金を抑える方法として2つ知っておくと良いでしょう。
コンテナハウスを移動できる状態にする
コンテナハウスをすぐ移動できる状態にしておけば、固定資産税はかかりません。
たとえば、コンクリートブロックを四隅に設置し、その上にコンテナハウスを載せることで、クレーンなどで吊り上げて移動できます。
土地にも定着していないという判断になるため、固定資産税の課税対象外です。
また、土地に定着していても、2時間以内に移動作業を完了できる場合は、固定資産税の課税対象外となる可能性があります。
どちらのパターンも、課税対象になるかどうかは自治体判断になるので、事前に基準を確認しておきましょう。
壁の一部を開放して外気分断性をなくす
先述したように、外気分断性を備えている建築物は固定資産税がかかります。
しかし、一部の壁を開放して外気分断性をなくせば条件に当てはまらなくなるので、固定資産税の課税対象外にできます。
寒い地域では取り入れづらい方法ですが、コンテナハウスを店舗などに利用する場合はおすすめの方法です。
駐車場にコンテナハウスを建てると節税にもなる
駐車場などの土地を所有している場合、コンテナハウスを建てることで節税につながる可能性があります。
理由は、建築物のない土地だけの状態よりも、コンテナハウスなどを建てた方が固定資産税率を下げられるからです。
土地だけの状態であれば固定資産税の減額はありませんが、コンテナハウスを建てて宅地にすると、最大6分の1まで減額できることもあります。
ただし、駐車場スペースが削られる分、これまで得ていた収入は下がってしまうので、バランスをみながら設置を検討してください。
コンテナハウスの税金に関する3つの注意点
ここまで、コンテナハウスの税金についてお伝えしてきましたが、とくに重要な注意点を3つご紹介します。
コンテナハウスを購入してから後悔しないように、頭に入れておきましょう。
固定資産税は一般的な住居と同様にかかる
繰り返しになりますが、コンテナハウスは一般的な住宅と同様に固定資産税の課税対象です。
「コンテナハウスは安い」というイメージだけで選んでしまうと、後々出費に悩まされる可能性もあるため注意しましょう。
どれくらいかかるのか不安な場合は、「固定資産税評価額×1.4%(標準税率)」でコンテナハウス・土地のおおよその金額を確認しておいてください。
固定資産税評価額が分からない場合は、納税通知書や役所の固定資産課税台帳からも調べられます。
コンテナハウスにも基礎工事は必須
コンテナハウスは、土地にコンテナを配置するだけでなく、必ず基礎工事を行わなければいけません。
「すぐに移動できるようにしたい」と基礎工事をおろそかにしてしまうと、地震や強風などの影響で動いてしまう可能性があります。
また、建築基準法違反にも問われてしまうので注意しましょう。
コンテナハウスを建てる場合は、基礎工事もしっかりと対応してくれる業者を選んでください。
移動する場合は電気・水道なども外さなければいけない
コンテナハウスは移動できる家として紹介されることが多いので、簡単に動かせるイメージを持っている方もいると思います。
しかし、実際には電気や水道、ガスなどを全て外し、コンテナを分解させなければ移動できません。
「固定資産税をかけたくないからすぐ移動できるようにしよう」と考えていても、実際は難しいと覚えておいてください。
まとめ
「コンテナハウスは安くて経済的」というイメージを持たれることが多いものの、一般的な住宅とそこまで変わらないのが実際のところです。
とくに、固定資産税などは同じ条件で課税されるので、コンテナハウスだからと言って税金がかからないわけではありません。
毎年の出費を負担に感じないためにも、税金がどれくらいかかるのかイメージしておくのが大切です、
コンテナハウス購入後に焦らないように、ご紹介した内容を参考に検討してみてください。