近年人気のある車で旅をし、寝泊まりをする車中泊。
そんな車中泊にぴったりな車といえばキャンピングカーですよね。
しかし、暑さ寒さや騒音、防犯の対策も万全、寝具も合ったものを準備したのになんか寝にくい、過ごしにくいなんていう経験はありませんか?
キャンピングカーに乗ってさえいれば快適に過ごせるというわけではないんです。
実は人が快適に過ごすためにいちばん大切なのは「水平」です。
当記事では車中泊において快適に過ごすために大切な「キャンピングカーでの水平出し」について書いていきます。
この記事でわかること
- 車の水平の大切さ
- 水平出しの方法
- レベラーやジャッキを利用するデメリット
車中泊を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
快適な車中泊には車の水平が大切
人は日頃から横になって寝ることで疲労回復していますよね。
家の中で斜めのところに寝ることはほとんどありません。それは車中泊でも同じ。
ましてや旅行中ですから、1日の疲れを取って翌日も元気に楽しむためにはゆっくり休むことが大切です。
横になったのになんか傾いている気がして気持ちが悪い、実は頭が下になっていた、では快眠どころではありません。
オートキャンプ場などは水はけを良くするために傾斜がついていることが多く、あえて整地していないところもあります。
その中で傾斜の少ない場所に駐車したいのは他の利用者も同じ。先に来た人が既に利用していることがほとんどです。
傾斜の少ない場所は争奪戦となっています。
車が水平であることは快適に直結しているのです。
キャンピングカーの水平出し方法【簡単2ステップ】
快適に過ごすために大切な水平。
しかし、整地されていない場所はもちろん、道の駅などの車中泊の許可が下りている施設でも「舗装されているから水平」というわけではありません。
そこで行うのが水平出しです。
水平出しのやり方は2ステップ。
水平出しのやり方
- キャンピングカーの傾きを水平器で確認
- レベラーやジャッキで車体を水平にする
ポイントは「神経質になりすぎない」こと。
水平器が少し傾いていても大丈夫。実際に車内で寝てみて傾きが気にならなければOK!というくらいの気持ちで行いましょう。
キャンピングカーの水平を水平器で確認する【ステップ1】
まず最初にできるだけ平坦な場所を探して停めます。
左右の傾斜が少なく、前後も就寝時に頭が下がらない方向がおすすめです。
前後の傾きは車の停め方を逆にすればいいのではと思うかもしれません。
しかし、発進しやすい向きで停めておくと防犯や自然災害などへの対策として安心です。
次にキャンピングカーの傾きを確認します。
そこで使用するのが水平器です。水準器とも呼ばれます。
使い方は簡単です。
車内のテーブルやキッチン、センターコンソールなどの平らなところに置くだけ。
今車を停めている場所がどの方向にどのくらい傾いているかがわかります。
使用する水平器は前後左右の2方向の傾きを一度に調べられるものが良いでしょう。
レベラーやジャッキで車体を水平にする【ステップ2】
水平器で傾きを確認したら次に行うのが車体を水平にすることです。
水平器の泡が上がっている方向に向かって登り坂になっているので、低い方の高さを上げて泡を水平にしていきます。
車体を水平にするためにはレベラーやジャッキを使用します。
レベラーはカースロープとも呼ばれます。
どちらも地面と車体の間の空間を広くするものです。
しかし、レベラーは地面とタイヤの間に挟みますが、ジャッキは車体の下に差し込み持ち上げるという違いがあります。
水平器の泡が水平になるようにしますが、キッチリ水平にしなくても大丈夫。
時間がいくらあっても足りません。水平器を確認するついでに車内で横になってみて傾きが気にならなければ大丈夫です。
キャンピングカーを水平にするためのおすすめアイテム3選
車中泊にぴったりなキャンピングカー。
しかし、車中泊で快適に過ごすための絶対条件は「水平」です。
一見、傾いているように見えない整地された場所でも水はけのことを考慮して傾斜をつけています。
そのわずかな傾斜が気になって眠れないなんてことになっては、翌日も疲れが残ったまま。せっかくの旅が楽しめません。
キャンピングカーを水平にして車中泊を快適にしましょう。
キャンピングカーを水平にすることを「水平出し」と言います。
その水平出しに使用するおすすめのアイテムは主に 3つです。
水平出しにおすすめアイテム
- 水平器(水準器)
- レベラー(カースロープ)
- ジャッキ
では、この3つのアイテムをどのように使うのでしょう?
1つずつ紹介していきます。
水平出しにはマストアイテム【水平器】
水平出しを行うときに必ず行うことは駐車場所の傾きを確認すること。
その傾きを確認するために水平器がマストアイテムです。
水平器は水準器とも呼ばれ、水平器は気泡管の泡の位置を確認するタイプ、レーザータイプ、デジタルタイプなどがあります。
アウトドアやDIYなどの趣味で使用するには初心者でも使いやすく、値段も手頃な気泡管タイプがおすすめです。
キャンピングカーでの使い方は、キッチンやセンターコンソールなどに置き、気泡管の泡の位置を確認します。
また、水平器は無料アプリでもあるので、インストールをすれば手持ちのスマートフォンが水平器に早変わりです。
万が一水平器を忘れてしまっても、アプリで代用できます。
タイヤの下に入れる【レベラー】
水平器で傾きを確認したら水平になるわけではありません。
場所を変えてやり直すか、その場で水平に調整するかの作業が必要です。
その際に使用するのがレベラー。
レベラーはカースロープとも呼ばれ、道路と駐車場所の段差を解消し駐車しやすくするためにも使用されています。
水平器の泡が上がっている方向が高い位置、上り坂です。
水平出しを行うときは低い方のタイヤをレベラーに乗せて高さを上げます。
泡が中心に来るように少しずつ車を動かしましょう。レベラーは3段階に調節可能のものも多くあります。
1セットで3つの高さに調節できれば、駐車場所の候補が増えそうですね。
また、耐荷重も違うので車にあったものを選びましょう。
車体を直接浮かせて水平を出す【ジャッキ】
傾きを水平にするもう1つのアイテムがジャッキです。
レベラーはタイヤを乗せて高さを上げるのに対し、ジャッキは車体を直接持ち上げて調節します。
ジャッキは多くの車で購入時から搭載されています。
タイヤやエンジンオイルの交換のようなクルマの整備でも多く使われるジャッキ。
車を直接持ち上げるため、振動にも強いです。
車には車体とタイヤの間にショックアブソーバーと呼ばれるバネのようなものがついています。
そのバネが走行中の地面からの振動を吸収するのですが、停車中、車中泊になると人の乗り降りや寝返りでも揺れるため、逆に気になってしまうものです。
しかし、ジャッキはタイヤを浮かせた状態で車体を持ち上げるので揺れが軽減できます。
レベラーやジャッキを利用する3つのデメリット
楽しい旅の思い出を作るには疲労回復は必須。翌日も元気に過ごすためには安眠は欠かせません。
睡眠時以外にも快適に過ごしたいですよね。
その快適・安眠に大きく直結するのが水平です。
レベラーやジャッキを使うことで車の傾きを調整できるなどのメリットはあるものの、デメリットもあります。
それでは順番に紹介していきます。
サイズが大きいので収納スペースが減る
1つ目は収納スペースが減ってしまうことです。
水平出しに使用するアイテム、水平器、レベラー、ジャッキの中でかさばらないものは水平器だけ。
レベラーはタイヤの下、ジャッキは車体の下で使用するものですからサイズが大きいのです。
レベラーは車を動かしながらタイヤを乗せるので、ある程度の長さとタイヤが乗る幅が必要になってきます。
また、車重に耐えられる材質を使用しているためレベラーそのものがの重さがあり、ジャッキは車体を持ち上げるための大きさが必要なのでかさばります。
サイズが大きければ当然置き場所をとるため収納スペースが狭くなってしまいます。
しかし、車中泊をするときには必要となるものですから、収納スペースをしっかり確保しておきましょう。
回収するのを忘れる
2つ目は回収するのを忘れてしまうことです。
ジャッキは車体を持ち上げているのでタイヤが地面に着いていないこともあるので、そのまま発進しようとすればガタンと振動が来るので気づくことが多いと思います。
しかし、レベラーはスロープなので発進もスムーズにできてしまいます。
特に後輪を乗せていたレベラーはそのまま発進できてしまうために気づかず忘れてしまうことがあるのです。
そのようなことがないようにおすすめしたい対策があります。
回収忘れを防ぐためのおすすめの対策
- 出発前にもう一度クルマの周りを確認する
- 1番最初に片付けるなど順番を決めてルーティーン化する
- そのまま発進できないように車止めを併用する
自分に合った対策を見つけ、一緒に行った人たちとも共有して忘れないようにしましょう。
雨の日は水平出しが大変
3つ目は雨の日が大変ということです。
旅行先が雨だったという経験はあると思います。
それでも雨だからと言って車の傾きを我慢するという選択肢はなかなかとれないもの。
なぜなら、快適さを求めるなら水平であることが必須だから。
少しの傾きが気になって眠れない、気分が悪くなることもあるからです。
雨を理由に水平出しを諦めて夜に後悔するのは絶対に避けたいですよね。
しかし雨の中水平出しを行うのは大変です。
ジャッキなら車体の下に、レベラーならタイヤの下に入れる作業があります。
車を乗り降りしながらレベラーやジャッキの調整をするのはなかなか大変。2人でやっても外での作業をする人が出てくるので覚えておきましょう。
キャンピングカーの水平に関するよくある質問
車中泊に最適なキャンピングカーですが、さらに快適に過ごすために大切な水平出し。
これまで水平出しのやり方や必要なアイテムなどを紹介してきましたが、ここではよくある質問を紹介していきます。
キャンピングカー用のレベラーは自作できますか
レベラーは自分でも作ることは可能です。
自作であればお好みの高さのレベラーを用意できますし、コストも抑えられますよね。
しかし、自作のものが車重に耐えられるのか、破損しないか心配な面もあります。
やはり、既製品は安全性も考慮されていますし、種類も多くあるので合ったものを見つけて使用する方が安心です。
まとめ
車中泊で快適に過ごすためには温度や音、防犯などの対策も必要ですが、水平も大切な要素の1つです。
わずかな傾きで安眠を妨害されては次の日の体調に支障をきたしてしまいます。
そのためにやらなければならいのが水平出し。
必要なアイテムや手順を知れば車中泊の快適につながります。
車中泊人気で需要も高まっているキャンピングカー。
キャンピングカーの中には水平出しができるジャッキが購入時から搭載されているものもあります。
最初から搭載されているものであれば収納の邪魔になりませんし、忘れることもないですよね。
キャンピングカーの購入の際には水平出しのことも踏まえながら検討すると長い目で見たら快適かもしれません。