

初めてのキャンピングカー旅行では、限られた車内スペースをどう使うかが気になりますよね。
寝心地が悪いと、せっかくの旅も疲れが残ってしまいます。
そんな悩みを解消してくれるのが、「バンクベッド」です。
バンクベッドは、キャンピングカーの運転席の上部スペースに設けられた就寝用ベッドのことです。
この記事では、まるで秘密基地のようなワクワク感と、ファミリーでもゆったり使える快適さを兼ね備えたバンクベッドについて、初心者にもわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- キャンピングカーのバンクベッドの特徴・使い方
- バンクベッドのメリット・デメリット
- バンクベッドで快適に寝るための対策


1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
キャンピングカーのバンクベッドの特徴・使い方
キャンピングカーにはいろいろな寝床のタイプがありますが、なかでもバンクベッドはとても人気があります。
運転席の上に設けられたこのスペースは、限られた車内空間をムダなく活用できることから、ファミリー層を中心に重宝されています。
では、バンクベッドとは具体的にどのようなもので、どう使うのでしょうか。
ここでは、バンクベッドの特徴や使い方をくわしく紹介していきます。
キャンピングカーのバンクベッドの特徴・使い方
- はしごで登る常設のベッド
- 大人2名程度が眠れる広さ
キャンピングカー選びや車内レイアウトを考えるうえでの参考にしてください。
はしごで登る常設のベッド
バンクベッドとは、運転席の上部に設けられた、はしごで登る常設のベッドです。
大型のキャンピングカー、とくにキャブコンタイプに多く採用されています。
シートを倒してセッティングするなどの手間がないため、就寝準備もスムーズです。
小さな子どもにとってはまさに秘密基地のような特別な空間で、冒険心をくすぐる魅力的な就寝スペース。
大人も、自分だけのプライベート空間として、読書やリラックスタイムを楽しめる空間にもなります。
ただし、ベッドは天井に近い位置にあるため、はしごの昇り降りには多少の注意が必要です。
また、車の上部にあるため、夏場は熱がこもりやすい点にも気を配らなくてはいけません。
エアコンを使用したり、寝具を工夫するなどして、快適さを保つことをおすすめします。
また、キャブコンタイプのキャンピングカーについてもっと詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
大人2名程度が眠れる広さ
バンクベッドは、大人2名がゆったりと横になれる程度の広さがあります。
多くのキャブコンでは、バンクベッドは横幅が約180〜200cm、奥行きが180cm前後と、セミダブルベッドほどのサイズ感です。
夫婦や親子で就寝するのにちょうどよく、身体を伸ばして眠れます。
ただし、天井との距離は他のベッドに比べてやや低めです。
横になって寝る分には十分ですが、着替えや座った状態での動作は制限されます。
そのぶん、空間がタイトで落ち着くと感じる人も多く、寝台列車やロフトのような雰囲気を楽しめるのも魅力です。
小さな子どもなら2〜3人が並んで眠ることも可能で、ファミリーでの就寝スタイルに柔軟に対応できる点も支持されています。
限られた車内スペースを有効活用したい方にとって、非常に心強い存在といえるでしょう。
バンクベッドのメリット4つ
バンクベッドは、キャンピングカーの限られた空間を最大限に活かせる便利な設備です。
運転席上のデッドスペースを寝床として活用することで、他の生活スペースにゆとりを持たせられます。
ここでは、そんなバンクベッドのメリットを4つのポイントに分けてわかりやすく紹介します。
バンクベッドのメリット4つ
- 大人数でも快適に就寝できる
- 限られた空間を有効活用できる
- 子どもにとって楽しい秘密基地になる
- 快適で安全な就寝環境が整っている
バンクベッドの魅力を確認していきましょう。
1.大人数でも快適に就寝できる
バンクベッドの大きな魅力のひとつは、2〜3人分の就寝スペースを追加で確保できる点です。
とくに家族連れやグループでの旅行では、「寝る場所が足りるかどうか」が心配に感じるでしょう。
しかし、バンクベッドがあれば、大人2名や子ども3名が余裕をもって眠れる広さがあるため、就寝時の窮屈さを感じにくく、みんなが快適に過ごせます。
さらに、バンクベッドは運転席上という使いづらい空間を活かして設置されているため、車内の他のスペースを犠牲にすることもありません。
比較的コンパクトなキャンピングカーにも導入できるため、大型車を選ばずとも、家族全員の眠る場所を確保できるのがポイントです。
2.限られた空間を有効活用できる
バンクベッドは、ダイネットやリビングスペースをベッドに変形させる必要がありません。
そのため、夜間でもテーブルを使って団らんしたり、ちょっとした作業をしたりと、空間を自由に使い続けられます。
また、バンクベッドは就寝スペースとしてだけでなく、日中は荷物の仮置き場としても活用可能です。
旅行中に出し入れの多いバッグやブランケットなどを置いておけば、床やシート周りが散らかりにくく、車内をすっきり保てます。
もともと運転席上部は使いづらいデッドスペースになりがちですが、その空間を立派なベッドとして活かせるのは、バンクベッドならではの大きな強みです。
3.子どもにとって楽しい秘密基地になる
バンクベッドは、子どもにとってまるで“秘密基地”のような空間です。
普段の目線よりも高い位置にあり、周囲が壁やカーテンで囲まれているバンクベッドは、子どもたちの特別な遊び場になるでしょう。
キャンプ気分も盛り上がり、移動中の退屈も感じにくくなりますよ。
また、多くのバンクベッドには独立した照明が付いているため、夜間の読書やタブレット操作も他の家族に気兼ねなく楽しめます。
暗がりが苦手な子どもでも安心して過ごせるほか、狭いながらもワクワク感にあふれたバンクベッドは、子どもたちの旅の思い出作りにもぴったりです。
4.快適で安全な就寝環境が整っている
バンクベッドは、安全面や快適性にも十分に配慮された設計がされています。
就寝中の落下を防ぐためのガードが備えられているモデルもあるため、小さなお子さまでも安心して利用できるでしょう。
昇り降りに使うはしごも、しっかりとした作りのものが多くみられます。
また、ベッド部分に窓や換気口が設けられている車種では、熱や湿気がこもらず快適な睡眠環境を保てるでしょう。
季節を問わず安心して過ごせる空間になるのは、旅行をより快適にする大きなポイントです。
安全性と快適性の両方を兼ね備えたバンクベッドは、キャンピングカー初心者やファミリーにとって安心して使える就寝スペースです。
バンクベッドの3つのデメリット
実際にバンクベッドを使ってみて初めて気づく「ちょっと不便」と感じる点もいくつかあります。
とくに、構造上の制限や使い勝手の面で、人によっては使いづらさを感じる場面もあるかもしれません。
ここでは、バンクベッドを検討する際に知っておきたい、主な3つのデメリットについて紹介します。
バンクベッドの3つのデメリット
- 安全対策が必要になる
- 運転面での制約がある
- 重量があり揺れを感じる人も
事前に把握しておくことで、自分に合った車選びや工夫のヒントが見えてくるでしょう。
1.安全対策が必要になる
バンクベッドは高い位置にあるため、使用する際には安全面への配慮が欠かせません。
とくに小さな子どもが寝る場合、就寝中に転がって落下したり、はしごを踏み外したりするリスクがあります。
多くのモデルには落下防止のガードがついていますが、完全に安心とは言い切れません。
必要に応じて、床にクッションを敷いたり、就寝時に柵を追加するなどの工夫が求められます。
また、天井との距離が近いため、寝ぼけて頭をぶつけたり、上体を急に起こした際に首や背中をぶつけるケースも少なくありません。
とくに使い始めのうちは、狭さに慣れるまで慎重に動く意識が必要です。
安全に使用するためには、ベッドへの上り下りや姿勢の取り方にも気をつけながら、無理のない使い方を心がけましょう。
2.運転面での制約がある
一般的なキャンピングカーでも車高は高めですが、バンクベッド付きのモデルではさらに上方向にボリュームが出るため、高さ制限のある場所には注意が必要です。
立体駐車場やトンネル、道路標識下などでは、うっかりすると接触のリスクも高まります。
また、車内は天井が一部低くなっているため、人によっては圧迫感を感じるかもしれません。
開放的な空間を求める方にとっては、バンクベッドは窮屈に感じることもあるでしょう。
3.重量があり揺れを感じる人も
バンクベッド付きの車両は、しっかりとした構造で作られているため、その分だけ車体の重量が増します。
車が重くなることでエンジンへの負荷が大きくなり、燃費が悪化する原因になる場合があります。
とくに長距離移動が多い方や燃費を重視する方にとっては、見過ごせないデメリットです。
また、ベッドの位置が高いため、走行中の揺れをダイレクトに感じやすいという特徴もあります。
高速道路での風の影響や、急カーブでの横揺れが気になりやすく、乗り物酔いしやすい方には不快に感じられる場合があります。
停車中でも人が上り下りするたびに車体が揺れる感覚があり、慣れるまでは不安定さを感じることもあるでしょう。
バンクベッドで快適に寝るための4つの対策
バンクベッドは限られたスペースを上手に活用できる便利な寝床ですが、構造上どうしても「狭さ」や「暑さ」、「揺れ」などが気になる場面もあります。
とくに初めて使う人や子どもと一緒に寝る場合は、快適に過ごせるか不安に思うこともあるでしょう。
ここでは、バンクベッドでより心地よく眠るための4つの対策を紹介します。
バンクベッドで快適に寝るための4つの対策
- 落下防止ネットをつけて「安全対策」
- 加湿をして「乾燥対策」
- 窓や換気口で「空気のこもり対策」
- 快適に寝るための「水平対策」
快適に眠るポイントを知っていれば、バンクベッドがよりぐっすり眠れる安心空間に変わります。
1落下防止ネットをつけて「安全対策」
運転席の真上という高い位置にあるバンクベッドは、万が一の落下が大きなケガにつながることもあるため、安全対策が必要です。
とくに小さな子どもが寝る場合や、寝相の悪い方は、思わぬ転落を防ぐための備えは欠かせません。
バンクベッドを安全に使うためには、落下防止ネットの取り付けがおすすめです。
専用の落下防止ネットは、簡単に脱着できるよう設計されており、不要なときはコンパクトに収納できるのも魅力です。
また、ベッドの展開状態に合わせて高さや角度で調整できるタイプもあるため、状況に応じて安全対策を行いましょう。
2.加湿をして「乾燥対策」
冬場のキャンピングカーでは、FFヒーターを使って暖をとることが一般的ですが、そのぶん車内の空気が乾燥しやすくなります。
とくにバンクベッドは天井に近く、暖かい空気がたまりやすいため、乾燥しやすいと感じることもあるでしょう。
もっとも手軽なのは、濡れタオルや洗濯物をベッド周辺に干しておく方法です。
蒸気が自然に放出され、簡易的な加湿効果が得られます。
また、USB式の小型ポータブル加湿器を持ち込むのもおすすめです。
コンパクトで場所を取らず、就寝中も静かに稼働できるため、快適な眠りをサポートしてくれます。
3.窓や換気口で「空気のこもり対策」
バンクベッドは構造上、空気の流れが滞りやすい場所にあります。
とくに使用中に窓や換気口を締め切ってしまうと、湿気やにおいがこもってしまい、寝苦しさを感じる可能性があります。
また、通気性が悪いと結露が発生しやすく、寝具が湿るなど不快な状況に悩むこともあるでしょう。
こうした問題を防ぐには、窓や換気口が設けられたキャンピングカーを選ぶことが大切です。
通気性の良いモデルであれば、湿気や熱がたまりにくく、常に空気が循環するため快適な状態を保ちやすくなります。
バンクベッドでぐっすり眠るためには、見た目の広さだけでなく「空気の流れ」にも注目して車両を選ぶのがおすすめです。
4.快適に寝るための「水平対策」
バンクベッドで快適に眠るためには、車体を水平に保つことがとても重要です。
車体が傾いたままだと、寝ている間に体がずれたり、違和感を覚えたりすることがあります。
とくにバンクベッドは高い位置にあるため、わずかな傾斜でも体感的に大きく感じやすく、熟睡できないことも珍しくありません。
そのため、夜間の停車場所を決めるときは、水平器で車体の傾きを確認する習慣をつけましょう。
もし傾きがある場合は、レベラーやジャッキを使い、車体を調整して平らな状態に近づけます。
少しの手間をかけるだけで、寝心地が格段に向上し、翌朝の疲れも残りにくくなります。
車中泊を快適に過ごすためには、見えにくい快適性への配慮も大切です。
下記の記事では、キャンピングカーで水平を保つためのポイントを解説しています。
キャンピングカーのバンクベッドに関してよくある質問
キャンピングカーのバンクベッドは、限られた車内スペースを有効活用できる便利な設備として人気ですが、初めて利用する方にとっては疑問や不安も多いですよね。
ここでは、キャンピングカー初心者やファミリー層の方が気になるバンクベッドに関するよくある質問をまとめてご紹介します。
キャンピングカーのバンクベッドに関してよくある質問
- 寝具は寝袋と布団どちらでしょうか?
- バンクベッドのはしごは固定ですか?
購入前やレンタル時の参考にぜひご活用ください。
Q. 寝具は寝袋と布団どちらでしょうか?
キャンピングカーで使う寝具は、「寝袋」と「布団」どちらでもOKです。
使用する人の好みや車両のスペースに応じて選ぶのがおすすめです。
寝袋のメリットは、なんといってもコンパクトに収納できることです。
キャンプ用に設計されているため軽量で扱いやすく、使用後の片付けも簡単です。
とくに冬山用の高性能な寝袋なら、寒い時期でも十分な保温性を確保できます。
一方で、布団はリラックスできる点が魅力です。
車内に余裕のあるモデルであれば、自宅と同じ寝心地で快適に眠れます。
マットレスや掛け布団の厚みも調整しやすく、季節や体調に合わせて寝具を選べるのもメリットです。
収納スペースや使い勝手を考慮しながら、自分たちに合った寝具を選びましょう。
下記の記事では、車中泊を快適に過ごすためのグッズを紹介しています。
Q. バンクベッドのはしごは固定ですか?
キャンピングカーのバンクベッドに設置されているはしごは、固定式ではなく、取り外し可能なタイプが一般的です。
使用時だけ設置し、不要なときは取り外して収納できるため、車内スペースを有効活用できます。
多くのはしごは軽量で扱いやすく、子どもでも簡単に昇り降りできる設計になっています。
モデルによっては折り畳み式のはしごを採用しているものもあり、よりコンパクトに収納することが可能です。
はしごの形状や収納方法は車両ごとに異なるため、購入時やレンタル時には、使い勝手や収納性を事前にチェックしておくと安心です。
まとめ
バンクベッドは、限られたキャンピングカーの車内空間を有効活用できる、非常に便利な就寝スペースです。
大人2人が寝られる広さを確保しながら、秘密基地のようなワクワク感や、荷物置きとしての機能も兼ね備えており、ファミリー層や車中泊初心者にもぴったりです。
一方で、高さによる安全対策や通気・乾燥への配慮、走行中の揺れといった注意点もあります。
ただし、落下防止ネットや加湿、換気、小型加湿器、水平対策といった工夫をすれば、より快適に過ごせます。
キャンピングカー選びで迷ったときは、バンクベッドの特徴を理解し、自分たちの旅スタイルに合った使い方ができるかをチェックしてみましょう。