キャンピングカーは、昨今のキャンプブームや場所を選ばずに自由な旅ができるため年々注目を集めています。
しかし、はじめて購入やレンタルを検討する方にとっては、どのように選べば良いか悩んでしまうかもしれません。
キャブコンは、居住性と走行性能のバランスが取れた、いわばキャンピングカーの王道とも言える車種です。
そこで今回は、キャンピングカーの中でも人気の高い「キャブコン」に焦点を当てて、特徴や選び方をプロの目線で詳しく解説します。
この記事でわかること
- キャブコンとは
- キャブコンに関する基礎知識
- キャブコンの特徴
- キャブコン運転時の注意点
この記事を読めば、キャブコンの特徴や運転する際の注意点が理解でき、購入やレンタルができるようになるでしょう。
1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
キャブコンとは運転席を残して後部を居住空間にした車両
キャブコンとは、トラックやバンの運転席部分をそのまま残し、後部を居住空間として改造した車両を指します。
キャンピングカーの中でも人気の高い車種で、その名前の由来は「キャブ(運転席)」と「コンバージョン(改造)」の組み合わせです。
キャブコンのベース車両には、主に3つのタイプがあります。
ベース車両 | 特徴 |
---|---|
トラック | 耐久性が高く最も流通している |
バン | 他のベースに比べて小回りが効く |
輸入車 | 高級感とデザイン性に優れる |
キャブコンの魅力は、広々とした居住空間です。家族での利用を考えている方にとって、大きなメリットといえるでしょう。
また、設備面でも充実しており、快適なキャンピングライフや車中泊を楽しめます。
キャブコンに関する3つの基礎知識
キャブコンを選ぶ際に押さえておきたい基礎知識があります。以下の3点を押さえておけば、キャブコンに関する疑問は解消するでしょう。
キャブコンの基礎知識
- 新車購入の価格帯は500万円〜
- 中古車の価格帯は270万円〜
- キャンピングカーの維持費はナンバーによって変わる
順番に解説します。
新車購入の価格帯は500万円〜
一般的に、キャブコンの新車価格は500万円〜1000万円程度です。ただし、価格はオプション装備や車両サイズによって大きく変動します。
たとえば、サブバッテリーや高性能な空調設備といったオプションを追加すれば、購入価格は上昇します。
一方で、軽トラックをベースにした「軽キャブコン」を選択すれば、300万円台から購入可能です。
キャンピングカーの中でもキャブコンは、居住性と走行性能のバランスが取れているため、初めての購入でも安心です。
価格に見合った快適性や使い勝手を重視し、家族のニーズに合わせて選択しましょう。
いきなり購入するのはリスクが高いと感じる方は、キャンピングカーのレンタルで試乗するのがおすすめです。
中古車の価格帯は270万円〜
中古キャブコンの価格帯は、新車に比べてかなり幅広く、270万円からが相場です。ただし、中古車選びは慎重に行いましょう。
価格の幅が広いため、予算に応じた選択が可能です。たとえば、500万円以下の中古キャブコンでも、十分な居住性と機能性を備えたものが見つかります。
一方で、800万円以上の高級モデルも存在し、ラグジュアリーな空間を求めている方に人気です。
中古キャンピングカーを購入する際は、メンテナンス履歴や車両状態を必ず確認しましょう。
確認せずに購入すると、設備トラブルなどで追加費用がかかるケースがあります。
失敗しないためには、信頼できる販売業者から購入するのがおすすめです。特に、販売後のアフターフォローに保証が付いている業者は信頼できる傾向にあります。
キャンピングカーの維持費はナンバーによって変わる
キャブコンを含むキャンピングカーには、主に1ナンバー、8ナンバー、4ナンバー(軽自動車)の3種類があります。
1ナンバーは自動車税が安いものの、高速道路料金が割高です。
一方、8ナンバーは税金面で優遇され、高速道路料金も普通車並みになることから長距離走行が多い方におすすめです。
4ナンバーの軽キャンパーは、全体的な維持費がもっとも安くなります。
ただし、8ナンバー登録には条件があり、改造費用がかかる場合もあります。
キャブコン選びの際は、使用頻度や走行距離を考慮し、最適なナンバーを選択して維持費を削減しましょう。
キャブコンにおける5つの特徴
ここでは、キャブコンの主要な5つの特徴を紹介します。詳細を理解しておくと、キャブコンが自分たちのニーズに合っているか判断できます。
キャブコンの特徴
- 他のキャンピングカーよりも居住空間が広い
- クーラーやヒーターなどの装備が充実して過ごしやすい
- 断熱性が高く車中泊で快適に過ごせる
- 就寝定員が多く4人〜7人旅行に最適
- トラックがベース車両だと耐久性が高い
順番に解説します。
1.他のキャンピングカーよりも居住空間が広い
キャブコンの魅力は、他のキャンピングカーと比較して圧倒的に広い居住空間といえます。
トラックやバンの荷台部分を丸ごと居住エリアに改造するため、天井高も十分に確保されています。
たとえば、バンコンと比較すると、キャブコンは立ち上がって歩ける高さがあり、圧迫感を感じにくいです。
また、ポップアップルーフタイプのキャンピングカーと違い、常に広い空間が確保されているため、天候に左右されません。
キッチンやトイレ、シャワールームといった設備の搭載も可能です。
さらに、ダイネットスペースやベッドルームも余裕を持って配置できるため、まるで動く家のような快適さを実現しています。
2.クーラーやヒーターなどの装備が充実して過ごしやすい
クーラーやヒーターといった空調設備は、快適なキャンピングカーライフには欠かせません。
多くのキャブコンモデルでは、FFヒーターが標準装備されています。そのため、エンジンをかけずに車内を暖められるため、冬のキャンプでも快適です。
また、家庭用エアコンを搭載しているモデルも増えています。アイドリング中でも効率的に冷房を行えるため、真夏の車中泊でも熱中症の心配がありません。
停車中に電気を利用する場合は、必ずインバーター付きの車両を購入しましょう。
インバーターの容量によってはテレビやドライヤー、電子レンジなどの同時利用も可能です。
3.断熱性が高く車中泊で快適に過ごせる
一般的なキャンピングカーと比べ、キャブコンは断熱性が高く、壁面や天井、床面に十分な断熱処理が施されています。
そのため、外気温の影響を受けにくく、年間を通じて快適な室内を実現しています。
たとえば、真冬の寒い夜でも、FFヒーターと断熱性能の相乗効果で暖かく、逆に真夏の暑い日中でも、エアコンの効きが良く快適な室温の維持が可能です。
断熱性が高いと、省エネにつながるため燃費が良くなりガソリン代を抑えられるでしょう。
さらに、結露の防止にも効果的で、カビの発生リスクを低減します。
4.就寝定員が多く4人〜7人旅行に最適
通常のキャブコンモデルは、4人〜7人程度の就寝定員を確保しています。家族旅行や友人グループでの利用に最適です。
たとえば、ダイネットスペースを就寝スペースに変換できるモデルや、2段ベッドを備えたモデルなど、様々なレイアウトが用意されています。
また、プライバシーを重視したセパレート型の寝室を備えたモデルもあり、長期旅行でも快適です。
キャブコンは、単に寝る場所を提供するだけでなく、家族や仲間との絆を深める貴重な空間といえるでしょう。
5.トラックがベース車両だと耐久性が高い
キャブコンの多くは、トラックをベース車両としています。
トラックはもともと、重量物の運搬や長距離走行を想定して設計されているため、耐久性が高いです。
たとえば、サスペンションやブレーキシステムは、重量のある荷物を積載することを前提に設計されています。
キャンピングカーとして改造された後も、安定した走行性能と高い安全性の維持が可能です。
また、エンジンも長時間の連続運転に耐えられるよう設計されているため、長距離ドライブでも安心です。
ただし、車両が重くなるとタイヤがバーストするリスクが増えるため、急ハンドルや急ブレーキなどはできるだけ避けましょう。
長期的な視点で見れば、メンテナンス費用の抑制にもつながり、コストパフォーマンスの高いキャンピングカーライフを実現できるでしょう。
キャブコンの運転に関する5つの注意点
キャブコンを安全に運転するためには、以下の5つの注意点を理解し、適切に対処することが重要です。
内容を理解するだけで、家族との楽しいキャンピングカーライフをより安全に楽しめるでしょう。
キャブコンの特徴
- 高速道路などはスネーキングによる転倒リスクがある
- 駐車時に後ろが見えにくい
- 旅行先などで駐車スペースが限られる
- 急な突風で転倒する
- 車両重量が重くバーストしやすい
順番に解説します。
1.高速道路などはスネーキングによる転倒リスクがある
キャブコンを運転する際は、高速道路でのスネーキング現象に注意しましょう。
スネーキング現象とは、車体が左右に大きく揺れはじめる現象で、最悪の場合、転倒事故につながる危険性があります。
特にキャブコンは重心が高いため、スネーキングが発生しやすい車両です。
対策としては、一般的に100km/h以下での走行が推奨されます。また、突風や大型車の追い越し時には減速しましょう。
また、荷物の積載バランスにも気を配り、車体の安定性を保つことが重要です。
万が一スネーキングが発生した場合は、慌てずにゆっくりとスピードを落とし、ハンドル操作を最小限に抑えた運転を心がけましょう。
2.駐車時に後ろが見えにくい
キャブコンは、駐車時の後方視界が制限されます。初心者が運転する場合は、特に注意が必要です。
後方視界の悪さは、事故のリスクを高める可能性があるため、無理はしないようにしましょう。
車両を選ぶ際は、バックカメラが搭載されているか必ず確認しましょう。多くの最新モデルには標準装備されていますが、装備されていないケースもあります。
また、車両に乗ってから一番最初にサイドミラーの位置を調整するのがおすすめです。
可能であれば駐車時に、家族や同乗者に車外で誘導してもらうと安全に運転ができます。
慣れるまでは広めの駐車スペースを選び、落ち着いて操作しましょう。
3.旅行先などで駐車スペースが限られる
キャブコンは、一般車両よりも車体が大きいため、場所によっては駐車ができません。
特に観光地や都市部では、適切な駐車スペースを見つけるのが難しい場合があります。
たとえば、一般的なコインパーキングでは、キャブコンが入りきらないことも珍しくありません。
また、道の駅やサービスエリアでも、大型車用スペースが限られているケースがあります。
対策として、事前に旅行先のRVパークや、キャンピングカー対応の駐車場を調べておくのがおすすめです。
また、地元の観光協会に問い合わせて、大型車の駐車可能な場所を確認するのも良いでしょう。
家族での旅行を楽しむためにも、駐車場所の確保は重要なポイントです。
4.急な突風で転倒する
キャブコンは重心が高いため、突風に弱い特徴があります。
海沿いの道路や橋の上など、周囲に建物が少ない場所では、予期せぬ強風にさらされるリスクが高まります。
特に、風速10m/秒を超える強風下では、車体が大きく左右に揺られ、最悪の場合、横転事故につながりかねません。
旅行の際に台風が接近している場合は、予定を変更して穏やかな気候の日を選ぶのがおすすめです。
また、走行中に危険を感じたら、すぐに安全な場所に停車して風が収まるのを待ち、家族の安全を第一に考え、無理な運転は避けましょう。
5.車両重量が重くバーストしやすい
キャブコンは車両重量が著しく重い傾向にあります。
そのため、タイヤに大きな負荷をかけてしまい、バーストのリスクが高いです。
長距離走行や高速道路での連続走行時には注意が必要です。
また、タイヤバーストはキャンピングカーが転倒する主な原因の1つとなっています。
対策として、定期的なタイヤ点検と適切な空気圧管理が挙げられます。
可能であれば、不要な荷物は下ろすようにしましょう。車内空間が広いため意外と不要な荷物を積んでいるケースが多いです。
加えて、長距離走行時は適度な休憩を取り、タイヤの温度上昇を抑えるのも予防策として効果的です。
まとめ
本記事では、キャブコンの基礎知識や特徴、運転時の注意点について解説しました。
キャブコンは、キャンピングカーの王道として、快適性と機能性を高次元で両立させた車種です。
500万円から始まる新車価格帯、270万円からの中古車オプション、そしてナンバーによって変動する維持費など、購入には細かい点に目を向けてください。
まずはキャブコンをレンタルして、実際に体験するのがおすすめです。
利用してみると、自分たち家族のニーズに合った最適なキャブコンを見つけられるでしょう。
安全運転を心がけて、忘れられない思い出を作り、豊かなキャンピングカーライフを実現してください。