8ナンバーにすると、3ナンバーや5ナンバーよりも税金が優遇されるため維持費が抑えられます。
ただし、頻繁にキャンピングカーを利用しないなら、キャンピングカーをレンタルした方が年間コストは圧倒的に抑えられます。
この記事でわかること
- 8ナンバーにしたいなら購入時点で要件を満たした車両を選ぼう
- キャンピングカーを8ナンバーにする3つのメリット
- 8ナンバー登録における3つのデメリット
- キャンピングカーのナンバーに関する3つの基礎知識
- キャンピングカーを月に1回程度の利用ならレンタルがおすすめ
本記事では、8ナンバーを登録するときのメリット・デメリットや基礎知識などを詳しく解説します。
1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
8ナンバーにしたいなら購入時点で要件を満たした車両を選ぼう
8ナンバーは、緊急車両などを含めた特種用途自動車に使用されますが、条件を満たしているキャンピングカーにも使われます。
また、8ナンバーを取得するためには、必要な設備を取り付けたり構造変更の手続きをしなければなりません。
1ナンバーなど、もともと8ナンバーではない車両を8ナンバーに個人でカスタムするのは、時間と労力がかかり大変です。
あなたが8ナンバーに興味がある場合は、最初から8ナンバー仕様の中古車を購入する方が手間が少なくておすすめです。
1ナンバー車両を購入する前にカスタム専門店と費用など事前に相談するのがよいでしょう。
8ナンバーの登録は自力で行うのはおすすめしない
8ナンバーを取得するには法律によって定められた要件を満たさなければいけません。
キャンピングカーを8ナンバーで登録するためには
- 乗車定員の3分の1以上の大人用就寝設備を有している
- 10リットル以上の水を貯蔵・排水できるタンク(洗面台)を有している
- 調理台等を利用するための床面から上方には有効高さ1,600mm以上の空間がある(調理台の高さが850mm以下の場合は床から天井までの高さは120mm以上)
など、さまざまな要件をすべて満たす必要があります。
一般の人が乗用車を8ナンバーに改造するのは難しいため、おすすめしません。
もしも車中泊仕様に変更したい場合は、必ずプロの整備工場に依頼するようにしましょう。
改造車は車検に通らない可能性があり、自力で改造した車両は安全性の担保が難しいです。
キャンピングカーを8ナンバーにする3つのメリット
キャンピングカーを8ナンバーにした際のメリットが気になるけれど、ネットで調べても詳細がわからない方は多いかも知れません。
キャンピングカーを8ナンバーにするメリット
- 車検が2年に1回のため点検にかかるコストを抑えられる
- 乗車定員を9名まで拡大できる
- 1ナンバーに比べて高速料金が安い
順番に解説します。
車検が2年に1回のため点検にかかるコストを抑えられる
車検にかかる費用には車種ごとに法律で一律に定められている「法定費用」と、それ以外の車検基本料や検査料などの費用があります。
このうち「法定費用」に関しては車のナンバーで決まります。
法定費用の内容は「自賠責保険料」「自動車重量税」「検査登録印紙・審査証紙代」です。
車検の期間ですが、例えば1ナンバーでは初回は2年であるものの、その後は毎年車検を受ける必要があります。
それに対して8ナンバーは初回からずっと2年ごとの車検で済みます。
車検にかかる費用を抑えたいなら2年に1回で済む8ナンバーの方がコストを抑えられるのでよいでしょう。
乗車定員を9名まで拡大できる
8ナンバー登録車両は、他に比べて乗車定員が多いというメリットがあります。
大人数で乗車したい場合は8ナンバー登録の方が良いでしょう。
キャンピングカーも普通乗用車と同じく、乗車定員が決まっています。
ベース車両の乗車定員と同じという訳ではないので注意が必要です。
また、乗車定員と就寝定員にも違いがあります。
就寝定員は乗車定員よりも少なく設定されているため、車中泊の際は何人で寝るのかも重要です。
また、2017年7月以降に生産された車両の横向き座席の使用が禁止になりましたが、8ナンバーの車両のみ横向き座席も可能となっています。
1ナンバーに比べて高速料金が安い
キャンピングカーは車体が大きいので、高速料金も高いと思われるかもしれません。
しかし8ナンバーであれば普通乗用車と同じ料金です。
よって、中型車である1ナンバーには適用されない「休日割引」も8ナンバーの場合は適用されます。
高速道路は車体の大きさで決まるわけではなく「軽自動車」「普通車」「中型車」のように料金車種区分で決まります。
それではキャンピングカーの高速料金を実際の料金で比較してみましょう。
東名高速【東京IC~富士IC 121.5km】 | 軽自動車:2,820円 普通車:3,490円 中型車:4,150円 |
中央自動車道【高井戸IC~河口湖IC 99.9km】 | 軽自動車:2,480円 普通車:3,010円 中型車:3,550円 |
このように、8ナンバーは1ナンバーに比べて高速料金が安いメリットがあります。
8ナンバー登録における3つのデメリット
キャンピングカーの8ナンバー登録のメリットを理解したあとは、デメリットも確認しておきましょう。
8ナンバー登録におけるデメリット
- 登録要件を満たすためにコストがかかる
- ネットのみの自動車保険には入れない
- 1ナンバーよりも自動車税が高い
順番に解説します。
登録要件を満たすためにコストがかかる
8ナンバーに登録するためには法律で定められた要件を満たさなければいけません。
8ナンバーの取得要件
- 乗車定員の3分の1以上の大人用就寝設備を有している
- 調理台等調理に使用する場所は0.3m以上×0.2m以上の平面を有している
など他にも多くの要件があり、すべてを満たす必要があります。
現在要件を満たしていなければ、カスタイマイズしなければなりませんが、多くの費用がかかる点には注意が必要です。
キャンピングカーのDIY費用はおよそ10〜30万円かかるといわれています。
8ナンバー登録するための最低要件を満たすだけではなく、快適な車中泊ができる内装にしようとすると、数十万円のまとまった費用がかかります。
ネットのみの自動車保険には入れない
1ナンバーもそうですが、8ナンバーのキャンピングカーは自動車保険に入りづらいのが現状です。
キャンピングカーの場合はキッチンやベッドなどが装備されており、改造の程度によっては事故で車が破損したとき保険金額が高額になってしまいます。
そのような理由から、キャンピングカーは自動車保険の加入を断られやすく、特に保険料の安いネット保険は入れない場合が多いです。
キャンピングカーの自動車保険に入る際は、営業担当がいて対面で申し込める保険会社がおすすめです。
キャンピングカーの自動車保険を扱っている保険会社はあまり多くはないものの、扱っている会社もあるので、よく探してみましょう。
キャンピングカーを購入した店で入れる場合もあります。補償内容などを比較して検討してみてください。
1ナンバーよりも自動車税が高い
自動車税は、車のナンバーによって金額が決まり、1年または2年ごとに支払います。
1ナンバーは業務に使用する商用車とみなされるため、自動車税が他のナンバーに比べて圧倒的に安いのが特徴です。
それに対して8ナンバーキャンピングカーの自動車税は、普通乗用車よりは安いものの1ナンバーに比べると高いです。
実際の料金で見てみましょう。
総排気量 | 1ナンバー ※車載1t以下 | 1ナンバー ※車載1t~2t | 8ナンバー |
~1L | 13,200円 | 16,700円 | 23,600円 |
~1.5L | 14,300円 | 17,800円 | 27,600円 |
~2L | 16,000円 | 19,500円 | 31,600円 |
~2.5L | ー | ー | 36,000円 |
~3L | ー | ー | 40,800円 |
~3.5L | ー | ー | 46,400円 |
~4L | ー | ー | 53,200円 |
~4.5L | ー | ー | 61,200円 |
~6L | ー | ー | 70,400円 |
6L~ | ー | ー | 88,800円 |
比較してわかるように、8ナンバーの自動車税は1ナンバーに比べて割高になっているのでよく検討してください。
キャンピングカーのナンバーに関する3つの基礎知識
キャンピングカーの購入を検討しているなら、ナンバープレートの基礎知識について理解しておくのがおすすめです。
キャンピングカーのナンバーに関する基礎知識
- バンタイプ(ハイエースなど)は基本的に1ナンバー
- キャプコンは普通車8ナンバー
- 軽キャンパーは軽8ナンバー
順番に解説します。
バンタイプ(ハイエースなど)は基本的に1ナンバー
ハイエースなどは、最も小型のタイプのみ4ナンバーですが、そのほかは1ナンバーです。
1ナンバーはトラックなどと同じ扱いになるため、税金は安いですが、高速料金が割高になります。
キャンピングカーに乗って頻繁に高速道路で旅行に出掛ける方は8ナンバーの方がお得です。
8ナンバーは普通乗用車と同じ扱いなので高速料金は安くなります。
高速道路の利用頻度をあらかじめ計算しておくとよいでしょう。
1ナンバーと8ナンバーでは税金や高速料金、車検の期間も異なります。
DIYしてキャンピングカーを安く制作しようと考えている方は、維持費なども含めたトータルコストを計算しましょう。
キャプコンは普通車8ナンバー
キャブコンは、車体が大きく広い居住空間が特徴のキャンピングカーです。
車内は天井も高く、就寝設備や調理台など8ナンバー登録に必要な要件を満たしやくなっています。
そのためキャブコンは基本的に8ナンバーです。
現在のところ国産キャブコンのベース車は主に「トヨタ・カムロード」ですが、もとになっているのは4ナンバーの「トヨタ・ダイナ」です。
カムロードの場合ガソリン車の排気量は2000cc以下(ディーゼル車は3000cc以下)なので、重量のあるキャブコンではパワー不足を感じる方もいるかもしれません。
8ナンバーはサイズや排気量に制限はありませんが、現状ではこれ以上パワーにあるキャブコンはないので、キャブコンのベース車はカムロードがほとんどになっています。
軽キャンパーは軽8ナンバー
軽キャンパーは維持費が安く済むともいわれていますが、実際他と比べて維持費はどのくらい違うのでしょうか?
軽キャンピングカーといってもナンバーによっても金額が変わってきます。
以下の3つで比較してみましょう。
税金の種類 | 8ナンバー ※普通キャンピングカー | 4ナンバー ※軽キャンピングカー | 8ナンバー ※軽キャンピングカー |
自動車税 | 23,600円 | 5,000円 | 5,000円 |
自動車重量税 | 16,400円 | 6,600円 | 6,600円 |
自賠責保険 | 11,575円/年 | 11,575円/年 | 6,240円/年 |
このように、軽自動車そのものの維持費が安いので、普通車ベースのキャンピングカーに比べると費用は大きく違います。
同じ軽キャンパーの4ナンバーと8ナンバーで比較すると自動車税と自動車重量税は同じものの、自賠責保険は8ナンバーが安いです。
キャンピングカーを月に1回程度の利用ならレンタルがおすすめ
キャンピングカーは利用頻度によって購入かレンタルを検討するのがよいでしょう。
購入する場合は税金や保険料、車検費用などの維持費がかかります。
それぞれにかかる費用を比較すれば自分にとってどちらが適しているのかがわかります。
実際の費用で比較してみましょう。
購入した場合にかかる費用 | 自動車税:23,600円 自動車重量税:16,400円 自賠責保険料:11,575円 その他任意保険費用など |
レンタル | 21,000円/日(オフシーズン) |
このように、購入した場合は年間でかなりの費用が必要になります。
毎週のように利用する方にとってはいいですが、月に1回程度の利用の場合はレンタルキャンピングカーをおすすめします。
まとめ
今回は8ナンバーのキャンピングカーを中心に、他のナンバーとの違いなどをお伝えしました。
8ナンバーキャンピングカーは他のナンバーに比べ、税金の安さや車検期間が2年になるなど、さまざまなメリットがあります。
2022年4月にはキャンピングカーにおけるキッチンやベッドなどの構造要件が緩和され、今まで以上に8ナンバーに登録しやすくなりました。
ご自身の利用状況に合わせ、8ナンバーキャンピングカーの購入やレンタルキャンピングカーなど検討してみてください。