旅の充実度を高めてくれるキャンピンクカーは、年々所有者が増えています。
そのときに「駐車場はどこに停めればいいのか?」「車庫証明は必要なのか?」など、管理方法にお悩みの方も多くいらっしゃいます。
そこで本記事では、キャンピングカーの駐車場選びや保管方法についてお話します。
この記事でわかること
- シーン別キャンピングカーの駐車場の選び方と駐車NGな場所
- 車庫証明の必要性
キャンピングカーの購入を考えていて、駐車場はどうすればいいのかわからない方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
キャンピングカーの駐車場選び|購入編
キャンピングカーの保管方法は、自宅付近の駐車場に停めるか、施設に預けるかの2択です。
自宅、もしくは契約駐車場
自宅にキャンピングカーを停められるスペースがあれば、自宅に停めるのが最も確実です。
自宅の駐車場なら荷物の積み下ろしもスムーズにできますし、家にキャンピングカーがあるだけで気分も上がるでしょう。
旅行に行けないときでも、子供と一緒にキャンピングカーで一晩過ごすなど、非日常の時間を楽しめます。
後述しますが、車庫証明の条件は「自宅から2km圏内」なので、近くに契約駐車場があれば、そこに停めることもできます。
自宅の庭や車庫に十分なスペースがない場合は、契約駐車場を探してみましょう。
ただし、キャンピングカーが大型の場合、駐車可能な契約駐車場を見つけるのは困難な場合もあります。
停めるスペースはあっても、周りの車の安全を考えて、契約を断られてしまうことも考えられます。
自宅以外で契約駐車場を探す場合は「自宅から2km圏内」「十分なスペースがある」「契約してもらえる」を条件に探してみてください。
モータープール
モータープールとは、キャンピングカービルダーやディーラーが運営している預かり場所です。
モータープールではキャンピングカーの管理もしてくれるというメリットがあります。
たとえば、タンクの給水や車体のメンテナンスなどです。
プロが管理してくれるので、キャンピングカーを大事に乗りたい方や、管理方法がわからない方におすすめです。
モータープールの制度には条件もあるので、あなたのキャンピングカーが条件を満たしているかを確認しましょう。
その条件とは、全長5.7m以上、もしくは全幅1.9m以上あり、8ナンバー登録のキャンピングカーであることです。
この条件を満たしていれば、モータープール制度を利用できます。
自宅から2km以上離れた場所でも、モータープールに預ければ車庫証明を発行できますので、ぜひ活用してみてください。
キャンピングカーの駐車場選び|宿泊編
キャンピングカーで宿泊する場合、利用できる場所は3つあります。
オートキャンプ場
オートキャンプ場は、決められた区画にキャンピングカーを直接乗り入れて利用できる場所です。
区画内であれば、キャンピングカー横にテーブルとイスを出してBBQを楽しめたり、場内に大きな炊事場や遊具、温泉施設などが併設されているところもあります。
オートキャンプ場は全国に1200を超える施設があり、AC電源やダンプステーション(汚水処理施設)を併設している施設も多数あるので、宿泊中に充電や汚水処理が可能です。
利用価格は5,000~10,000円程度かかりますが、車内で過ごす以外にもさまざまな楽しみ方ができるので、お子様連れの家族などに向いています。
RVパーク
RVパークはアメリカ発祥の車中泊に特化した施設で、日本でも一般社団法人日本RV協会によって設置が進められています。
レジャー施設や道の駅などの一角をRVパークにしているところが多く、大きなキャンピングカーでも停められるように通常の駐車場よりもスペースを広く取っているのが特徴です。
施設ごとに異なりますが、AC電源やダンプステーション、トイレ、入浴施設などが用意されています。
RVパークはキャンプ場に比べるとまだまだ施設数が限られており、利用できる台数が少ないことも多いので、利用場所は事前に探しておくと安心です。
利用価格は1,000~2,000円程度と安いので、夜間車内で過ごすためだけに利用したいという方や連泊を考えている方におすすめの場所です。
湯YOUパーク
湯YOUパークは、旅館やホテルなどの駐車場を宿泊場所として利用できるサービスです。
全国100箇所以上の施設が加盟しており、各地の温泉を利用して疲れを癒しながら、自分のキャンピングカーで宿泊できます。
湯YOUパークを利用する場合、事前に一般社団法人日本RV協会が運営する「くるま旅クラブ」の会員登録が必要です。
利用価格は温泉の入浴料のみで利用できるところや、1,000~2,000円程度の料金+入浴料がかかるところなど施設によって異なるので、利用したい場所が決まったら事前に確認してみてください。
キャンピングカーの駐車場選び|休憩編
キャンピングカーで休憩する場合、利用できる場所は2つあります。
道の駅
道の駅は広い駐車場を完備していることが多く、キャンピングカーでも利用しやすい施設です。
トイレや食事処、入浴施設などを併設していることもあるため、休憩に利用するのにおすすめの場所といえます。
ただ、注意したいのは短時間の仮眠はできても、宿泊に利用してはいけないという点です。
最近はキャンピングカーユーザーが増えたこともあり、道の駅で宿泊している方も見受けられますが、マナー違反行為なので辞めましょう。
なお、道の駅でも先ほどご紹介した「RVパーク」が併設されている場合は宿泊可能です。
利用する際は各道の駅のルールを確認し、マナー違反にならないようにしましょう。
サービスエリア・パーキングエリア
高速道路のサービスエリア・パーキングエリアも、道の駅と同様に休憩できる施設です。
長時間の運転は疲れがたまるので、仮眠をとって休憩する分には問題ありません。
しかし、宿泊などに利用するのはマナー違反になるため辞めましょう。
また、サービスエリアやパーキングエリアのトイレで排水処理をする方がいますが、指定場所以外で行うのはマナー違反です。
必ず、自宅のトイレやキャンプ場などの処理施設を利用してください。
道の駅利用時にもいえることですが、休憩時はエンジンを切り、無駄なアイドリングをしないようにしましょう。
キャンピングカーの駐車がNGな場所3選
キャンピングカーは、駐車も停車もできない場所があるため、違反しないように注意が必要です。
ここでは、3つの場所をご紹介します。
コンビニ・スーパーの駐車場
コンビニやスーパーなどは買い物をするための施設なので、買い物目的以外での駐車は辞めましょう。
また、買い物が終わったらすぐに駐車所をあける必要があり、休憩などの停車も原則できません。
他の利用者の迷惑にならないように、注意しましょう。
キャンピングカー駐車禁止場所
普通車は駐車できても、キャンピングカーの駐車を禁止している場所があります。
理由はさまざまですが、一部のキャンピングカーユーザーによるマナー違反行為が原因になっていることが多く、「前は利用できたのに禁止に変わった」ということも珍しくありません。
キャンピングカーの駐車が禁止されている場所では短時間の停車もできないため、必ず事前に確認するようにしましょう。
知らずに停めてしまうと、駐車違反などのトラブルになる可能性もあるため注意してください。
駐停車禁止の標識がある場所
キャンピングカーに限ったことではありませんが、駐停車禁止標識がある場所では駐車できません。
たとえば、トンネル内や急な坂道、交差点付近など、わずかな時間の停車でも危険を伴います。
交通違反にも問われるため、標識をよく確認しておいてください。
とくに、慣れない道を走行する場合は見落としなどがないように気を付けましょう。
キャンピングカーの車庫証明ってどうする?
キャンピングカーも普通の車と同じように「車庫証明(自動車保管場所証明書)」が必要です。
車庫証明とは、所有する自動車を保管する場所を証明するためのものです。
車庫証明を申請する際には、自宅から駐車場までの直線距離が2km以内であることが条件です。
しかし、キャンピングカーは普通車よりも大きいので、駐車場の確保が難しい場合もあるかと思います。
そのような時は、いくつかの条件を満たせば「特例措置」を受けることが可能です。
特例措置の条件には以下のようなものがあります。
キャンピングカーの自作に必要なもの
- 特種用途車両で車体の形状はキャンピングカーに該当し、全長5.7m又は全幅1.9mを越えるもの
- 特種用途車両で車体の形状がキャンピングトレーラー又はボートトレーラーに該当するもの
- 自動車の保有者からの委託を受け、業としてキャンピングカーを含む自動車の保管管理を行う管理業者であること
特例措置にはこのような条件がありますので、まずはご自身のキャンピングカーのサイズや形状を確認しましょう。
補足:キャンピングカーをレンタルするという手段
キャンピングカーを自分で購入する場合、価格相場は以下の通りです。
キャンピングカーの購入相場
- 軽自動車のワゴンをベースにした「軽キャンパー」は、100~200万円
- バンをベースにした「バンコン」は、200~700万円
- トラックの荷台に居室スペースがある「キャブコン」は、500~1,000万円
- マイクロバスをベースにした「バスコン」は、1,000万円以上
このように、キャンピングカーは購入するだけでも多額な費用がかかります。
さらに車体のメンテナンスや駐車場代などの維持費を考えると、管理するだけでも大変です。
そこで、まだキャンピングカーに慣れていない方は、レンタルするのもおすすめ。
最近では、キャンピングカーを扱うレンタカー会社や、カーシェアリングも増えてきました。
「レンタルキャンピングカー白書 2020 ~事業者の現状と市場動向~」によると、レンタルキャンピングカーネット掲載店舗は、2019年から2020年にかけて、+20%増と拡大しています。
統計データを見ると、1店舗あたりの保有数も増加しており、新車の導入も加速しているのがわかります。
キャンピングカーを持っていなくても、旅先でレンタルをして、キャンピングカー生活を楽しむこともできます。
まずはキャンピングカーの運転や宿泊を体験し、キャンピングカー生活に慣れてきてから購入を検討してみるのはいかがでしょうか?
まとめ
キャンピングカー生活を楽しむ上で、駐車場の確保は必須です。
自宅や近隣の駐車場に停めるのか、モータープールに預けるのかを考えてみてください。
キャンピングカーの購入はとても大きな買い物になりますので、維持費も含めて総額でいくらかかるのかも計算しておきましょう。
また、記事内で述べたように、キャンピングカーはレンタルやカーシェアリングもできます。
まだ利用したことがない方は、実際にキャンピングカーに乗ってみてから検討するのもおすすめです。