コロナ禍の窮屈さも薄れ、旅行の計画を立てている方も多いのではないでしょうか。
近年宿泊費なども抑えられ、テントやタープを張るキャンプよりハードルが低くて挑戦しやすいため人気があるのが車中泊です。
手頃といってもやはり多くの人が集まる公共の場ですから、気をつけなければいけないこともあります。
当記事ではこれから車中泊に挑戦しようと考えている方が知っておきたい基礎知識や注意点などを紹介していきます。
この記事でわかること
- オートキャンプととキャンプの違い
- 車があると手軽で便利だけど、だからこそ注意しなくてはいけないこと
- みんなが快適に楽しくオートキャンプ場を利用するために必要なこと
- 関東地方にある初心者におすすめしたいオートキャンプ場
1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
オートキャンプ場はキャンプを楽しむための場所
オートキャンプとは車にキャンプ用品を積んで、車内やテントで寝泊まりをする旅行のことを指す和製英語です。
キャンプと違いテントの近くに車を置くので、キャンプ初心者や何かと荷物の増える家族連れにはピッタリ。
オートキャンプ場は車の乗り入れが認められているキャンプ場のことで24時間利用可能なトイレや共用の炊事場があります。
施設によっては売店や遊具のあるところ、ペット同伴OKのところやキャンプ用品のレンタルをしているところもあるので自分にあったオートキャンプ場を探してみましょう。
また、近隣にトレッキングや釣りなど、アウトドア体験ができる場所も多くあるので、キャンプならではの遊びを存分に楽しめます。
オートキャンプ場で車中泊禁止が増えた原因はマナー違反
テントの設営や撤収をせずに手軽にキャンプが楽しめるオートキャンプ。
そんなオートキャンプを可能にする施設の1つが車の乗り入れが可能なオートキャンプ場です。
しかし、オートキャンプ場の中でも車の乗り入れはできても車中泊を禁止にしているところも増えています。
その大きな原因はマナー違反。特に「音」「光」のトラブルが多いのです。
車内だからという安心感と車という音楽をかけることができ、エアコンもライトもついている便利アイテムを利用してしまうことがトラブルに発展してしまいます。
ここでは車の便利さを使った結果、車中泊を禁止にしてしまった2大原因の音と光にまつわるトラブルを紹介します。
車内での話声がうるさくてクレームが起きる
話し声にまつわるトラブルは車内という部屋に入ってしまうことから自然と生まれる安心感から引き起こします。
繁華街でなければ夜は静かになるもの。住宅地の道路を歩くときも大声は出しませんよね。
しかし、一歩家に入ると声のボリュームは外にいるときより大きくなるもの。それをキャンプ場で行ってしまうのです。
そもそも車は移動するためのものです。
安全に快適に、環境に優しく走行できるように設計されています。
いくらキャンピングカーでもばっちり防音されているわけではないですから、当然音は漏れるはず。
テントや外よりはマシだと考え声が大きくなりその結果、周りが迷惑してしまいクレームになってしまいます。
車のブザー音や光が雰囲気を壊す
車の装備を活用してしまい、引き起こすトラブル「音」や「光」。
車のブザー音やヘッドライト、作業灯の光などがクレームになってしまうのです。
アウトドアをする人は自然の中でテントを設営して寝泊まりし、外で料理をして食べるという非日常の時間を味わうことを楽しみにしています。
それなのに普段から見たり聞こえてくる光や音が頻繁にしていては雰囲気もぶち壊しです。
人工的な音や光の少ない自然の中で静かな時間を過ごし、空を眺めたい人からすればブザー音やヘッドライトのような明るい光は邪魔でしかありません。
そういう人たちへの配慮に欠けた自分たちのことだけを考えた行動がクレームにつながってしまいます。
車中泊のNG行為6選
車中泊をするときにはどのようなことに気をつければ良いのでしょうか。
車中泊は少ない装備で行うキャンプよりも、気をつけなければいけないことは増えてしまいます。
ここではオートキャンプ場は公共の場であるということを忘れて、やってしまいがちなNG行為を紹介します。
自分たちだけでなくみんなが快適に過ごせるように必ず守りましょう。
エンジンをかけっぱなし
エンジンのかけっぱなしはやめましょう。
ガソリン車は排気ガスを放出するので環境にも悪影響です。自然を壊すような行為は避けましょう。
排気ガスには一酸化炭素が含まれています。近くにいた人が吸ってしまう可能性もありますし、何より常時エンジン音がしていてはうるさいと感じて迷惑です。
また、エンジン始動時の音はさらに大きいです。
かけっぱなしでなく、何度もエンジンを始動させるのもやめましょう。
夜中にオーディオなどを付ける
夜中にオーディオなどをつける行為もやめましょう。
テレビなどの光はランタンなどの明かり確保の光と違いチカチカと動きます。
シェードなどをしていても隙間からチカチカした光が漏れてくれば気になります。
ザワザワしたテレビ番組の音が夜中に聞こえるのも不快です。
音楽は車外に漏れない程度の音量にしたり、イヤホンで聴くなどの対策を取りましょう。
夜間は外が静かですから少しの音や光が外に漏れやすいので気をつけましょう。
ヘッドライトをつけっぱなし
ヘッドライトを作業灯などのライト代わりにしてはいけません。
ヘッドライトは明るいので明るさを確保するには手っ取り早いかもしれません。
しかし、ロービームでも遠くを照らしますし、スモールライトでも左右付けば明るいです。暗いところであればなおさらです。
ヘッドライトを付けるとテールランプ(尾灯)も連動してつくので周辺にかなり迷惑です。
基本的には夜間には車のライトはつけないようにしましょう。
酒盛りで夜どうし騒ぐ
車は家ではないので家ほど防音に優れていません。
家でも夜どうし騒いでいたら近所に迷惑ですよね。
せっかくの旅行ですからみんなでお酒を飲んで楽しみたい気持ちはわかります。
しかし、小さい音でも静かなところではよく響くもの。居酒屋で聞くようなドンチャン騒いでいる声を聞きたくてキャンプに来ているわけではありません。
車内だから大丈夫だと大きな声を出すのはやめましょう。
全く大丈夫ではありません。大迷惑です。
頻繁に車の扉を開閉する
一瞬だからとドアを頻繁に開閉するのもやめましょう。
バタンッというドアの開閉音はテントから出る音ではないので目立ちます。
ドアを強く閉めるのも避けましょう。
急に大きな音がすれば就寝中でなくてもびっくりしてしまいます。
荷物の出し入れは夜間や早朝を避けてまとめて下ろし回数を減らします。
夜間にトイレに行く場合などはできる限り気をつけましょう。
ドアロック時や、オートスライドドアの開閉時の電子音も一瞬とはいえ耳障りに感じることがあります。
徐行せずスピードを出す
オートキャンプ場は徐行が原則です。
徐行とはすぐに止まれる速度で進むこと。
スピードを出すと砂埃が舞う原因にもなりますし、大変危険です。
特に子どもはどういう動きをするかわかりません。テントの影から急に飛び出してくることもあります。
飛び出してきてもすぐに止まれるように細心の注意を払いながら徐行します。
また、道幅が狭いところでは対向車にも注意。進行方向が決められているところもあるので守りましょう。
他の利用者サイトに侵入する
キャンピングカーの駐車場所にも気をつけてください。
自分たちの使いやすさだけを考慮するのではなく、他の利用者のことも考えます。
隣のサイトや通路などの共有スペースにはみ出さないようにしましょう。
特に大きいサイズのクルマほどはみ出しやすいです。
隣のサイトが空いていても合わせて利用することはマナー違反です。
サイトの境界線がわかるように目印を立てておくと良いでしょう。一緒に行った人にもわかりやすいですし、他の利用者の侵入も防げます。
オートキャンプ場でみんなが快適に過ごせる3つのポイント
車を利用するため、手軽にキャンプを楽しめるという魅力があるオートキャンプ。
しかし、車を乗り入れるがゆえのマナーも存在します。
オートキャンプ場には普通のキャンプを楽しむ人もたくさん。
みんなが気持ちよく快適に過ごすために必要なことは何でしょうか?
自然に近いオートキャンプ場で、非日常を味わうためには車が目立ちすぎないことも重要です。
そのために気をつけるポイントを紹介します。
車の扉はできるだけ優しく閉める
車のドアは優しく閉めましょう。
バタンッという車のドアの開閉音は思っている以上に周囲に響くもの。
車が近くにあると荷物の出し入れなどでドアを開閉する回数が自然と増えます。
その度にドアの開閉音がして、周囲の人は気になってしまいます。
荷物はできるだけまとめて移動させるなどしてドアを開ける回数自体を減らす、思い切りバタンと閉めるのではなく優しく閉めるなどの工夫を心がけてください。
音や光はできるだけ車外に出さない
音や光などはできるだけ車外に出さないようにしましょう。
オートキャンプ場はサイトが区切られているためプライベートが確保されているように感じます。
しかし、音や光は区画など関係なく周囲へ漏れます。
特に話し声などは盛り上がると気づかないうちに大きくなっていることも。
特に周囲も静かな夜はちょっとした音も響きやすいですし、暗いなかでの明かりも気になります。
一度気になった音や光にはさらに敏感になるため、周りの利用者が気にならないようにする配慮が必要です。
自然を楽しむ
キャンプへ来ているのですから、自然を楽しみましょう。
キャンプには焚き火やバーベキュー、魚釣り、夜の星を眺めるなどの醍醐味があります。
どうせなら普段できないことをしましょう。
焚き火やバーベキューをするには火を使うので、寝るまでの明かりの確保につながります。
昼間に魚釣りへ行けば、エアコンをかけるためのアイドリングを避けることができ、星を見るには明かりは不要です。
自然を楽しむことでマナーを守ることに直結するのです。
車中泊初心者におすすめのオートキャンプ場3選【関東版】
「オートキャンプや車中泊にチャレンジしてみたい!」と思ったときにどこにしようか迷うことがありますよね。
車を利用するため気をつけなければいけないことも増えます。
施設のルールやオートキャンプのマナーを守ることも大切です。
自分自身が楽しめて、周りに不快な思いをさせないためにも自分に合った場所を選ぶことが必要です。
しかし、初めてだと調べるにしてもどこから手を付ければいいのかわかりません。
整地されている所、キャンプとオートキャンプなどでサイトを分けている所など立地やサイトの分け方もオートキャンプ場によってさまざまです。
そこで、関東地方にある車中泊初心者におすすめのオートキャンプ場を紹介します。
京急油壺温泉キャンプパーク(神奈川)
京急油壺温泉キャンプパークは神奈川県三浦市にあるオートキャンプ場です。
海の向こうに富士山が見え、都心からも約1時間でアクセスしやすいのも特徴です。
車の乗り入れができるサイトとできないサイトが分かれています。
手ぶらキャンプも可能なサイトやキャンプ用品のレンタルも行っているので初めてでも安心です。
すべてのサイトで焚き火が可能。駐車場にキャンピングカー専用スペースがあり、車中泊も可能です。
施設内にドッグランやビオトープ、BBQ場、ポニーの乗馬体験ができる場所があり、日中は公園としても利用できます。
また施設横には美肌効果の高い油壺温泉もあり、ゆっくりと過ごせます。
長瀞オートキャンプ場(埼玉)
長瀞オートキャンプ場は埼玉県秩父郡長瀞町にあるオートキャンプ場です。
自然を利用したサイトが多く、川を見下ろすサイト、空がよく見えるサイト、ハンモック付きのサイトなどさまざま。ソロキャンパー専用、女性限定などのサイトもあります。
ペットがノーリードで過ごせる柵で囲まれたサイトはペットも一緒に連れていきたい人にピッタリです。
グループで複数のサイトの利用を禁止するなどの利用制限やルールがしっかり決まっています。
初めての人は厳しいと感じてしまうかもしれませんが、施設側の目が行き届いているため安心して過ごせます。
一度経験しておくと、他のオートキャンプ場へ行ってもトラブルになるような行動をすることなく過ごせるでしょう。
水海道あすなろの里 RECAMP常総(茨城)
水海道あすなろの里RECAMP常総は茨城県常総市にある木々に囲まれたオートキャンプ場です。
都心からのアクセスも良く、住宅地に近いため道中にスーパーやコンビニ、ホームセンターなどがあり、買い出ししてから向かえます。
水海道あすなろの里が隣接しており、ふれあい動物園や釣り堀、ミニ水族館など子どもが楽しめる施設が充実。
また、土日にはあすなろの里内の大きな展望風呂の利用も可能で利便性抜群です。
家族連れにおすすめ、グループ向けなどそれぞれ特徴があるので、好きなエリアで合ったサイトを見つけることができます。
トイレ、炊事場、シャワールーム、室内プレイルームなど設備も充実しているので初心者には安心です。
まとめ
車中泊は普通のキャンプと違い、テントやタープの設営や撤収もなく寝泊まりができるので手軽にキャンプを楽しみたい人にはぴったりです。
しかし、その手軽さを利用しすぎた結果、他の利用者とのトラブルが増えて車中泊を禁止にするオートキャンプ場も出てきました。
車を利用する分、利用しない人よりルールが増え、マナーが問われます。
皆が楽しく快適に過ごせるように配慮しなければなりません。
事前にNG行為を理解していれば、行ってから「こんなはずではなかった!」と不満に感じることがなくなります。
また、車の乗り入れだけを許可していて、実は車中泊やキャンピングカー自体の乗り入れを禁止にしているケースもあるので宿泊場所を選ぶ際には確認しましょう。