

サービスエリアでの車中泊に、一歩踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
たしかに昼間は利用者も多く、便利な場所ですが、夜間には気をつけたい点もあります。
防犯やマナー、騒音など、実際に車中泊をしてみて初めてわかることも少なくありません。
この記事では、サービスエリアでの車中泊が初めての方に向けて、「怖い」と感じる原因や、その不安を軽くするための具体的な対策を解説します。
この記事でわかること
- サービスエリアに車中泊するのが怖いと感じる理由
- 車中泊でサービスエリアを選ぶときの対策
- 車中泊でサービスエリア以外におすすめの場所


1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
サービスエリアに車中泊はグレーゾーン
サービスエリアは、宿泊を目的とする利用が明確に許可されているわけではありません。
NEXCO西日本のFAQページでは、サービスエリアやパーキングエリアはあくまで運転中の休憩を目的とした施設であると明記されています。
そのため、長期間の滞在やキャンプのような使い方はNG行為です。
NEXCO西日本の「SA ・PAご利用上の注意」にも、休憩の目的を逸脱した長時間・長期間の駐車、野宿は禁止行為であるといった記載があります。
そのため、サービスエリアでの車中泊を考えている方は、「一時的な仮眠」という範囲にとどめておく意識が大切です。
周囲への配慮も忘れずに、マナーを守った利用を心がけましょう。
サービスエリアに車中泊するのが怖いと感じる3つの理由
サービスエリアでの車中泊は便利で手軽な反面、怖いと感じる人も少なくありません。
では、その怖さの正体とは一体何なのか?
不安の原因を理解しておけば、必要な対策も見えてきます。
多くの人が不安を抱く理由には、主に以下の3つがあります。
サービスエリアに車中泊するのが怖いと感じる3つの理由
- 車上荒らしや盗難の恐れがある
- 不審者が訪れるリスクがある
- 静かすぎて不安に思う
サービスエリアを利用する前に確認しておくことで、落ち着いて車中泊が行えるでしょう。
1.車上荒らしや盗難の恐れがある
サービスエリアは明るくて人通りも多いため、防犯面も安心と思われがちですが、実は車上荒らしや盗難といった被害が起きる可能性もあります。
とくに夜間や人目の少ない場所では、長時間停車している車が狙われやすくなります。
そのため、サービスエリアで車中泊するときは、貴重品は外から見えない場所にしまうことが大切です。
ドアや窓の施錠をしっかり確認してから、就寝しましょう。
また、防犯ブザーやセキュリティステッカーを活用するなど、防犯意識の高さを示すことで、犯行の抑止力になります。
安心して眠るためには、「人が多い場所=安全」という思い込みを捨てて、しっかりとした防犯対策をとってください。
2.不審者が訪れるリスクがある
サービスエリアの利用者のなかには、マナーを守らない人や、深夜にうろつく不審な人物が紛れていることもあります。
酔って騒ぐ人や、無断で話しかけてくる人が近づいてくることもあり、落ち着いて休めないこともあるでしょう。
不審者が訪れるリスクを避けるためには、駐車場所の選び方が重要です。
照明が届く範囲で、死角になりにくい場所を選ぶと、不審者に目をつけられにくくなります。
安心して車中泊するためには、視線を遮るサンシェードを活用したり、施錠を念入りに確認するなどの方法を取り入れましょう。
少しでも不安を感じたときは、迷わず別の場所に移動してください。
3.静かすぎて不安に思う
日中はにぎやかなサービスエリアも、深夜になると一気に静まり返ります。
車の音や人の気配がほとんどなくなり、周囲が静かになりすぎて、逆に不安を感じてしまうことがあります。
初めての車中泊では、物音で起きてしまったり、逆に静かすぎて眠れなくなってしまったりすることも少なくありません。
静けさに不安を感じるなら、自分が落ち着ける環境を整えることが大切です。
人目がある場所に車を停める、ラジオや小さな音楽を流して落ち着く空間を作るなど、自分なりの安心材料を持っておくと気持ちが楽になります。
静けさを安心ととらえるには少し慣れが必要ですが、工夫次第で快適な車中泊につなげられます。
車中泊でサービスエリアを選ぶときの対策7つ
サービスエリアでの車中泊は、場所の選び方ひとつで安心感が大きく変わります。
安全で落ち着いて休める環境を確保するには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
ここでは、サービスエリア選びで意識しておきたい7つの対策をご紹介します。
車中泊でサービスエリアを選ぶときの対策7つ
- ドアのロックなど防犯対策をする
- 明るく人通りのある場所に駐車する
- カーテンやサンシェードで車内を見えなくする
- 貴重品は目に触れない場所に置く
- 防犯ブザーなど防犯グッズを備えておく
- 事前にSA・PAの様子を調べておく
- 連泊は控える
サービスエリアを選ぶポイントを把握することで、初心者でも安心して車中泊を楽しめます。
1.ドアのロックなど防犯対策をする
サービスエリアを選ぶポイントを把握することで、初心者でも安心して車中泊を楽しめます。
車中泊でまず徹底したいのが、ドアの施錠を含む基本的な防犯対策です。
短時間でも車から離れるときは、必ずすべてのドアをロックしましょう。トイレに行くときや自販機を利用するだけの場合でも、油断は禁物です。
就寝中はさらに注意が必要です。
外から開けられないよう、ドアロックだけでなく補助ロックや盗難防止バーなどを活用すると、より安心感が高まります。
窓を少し開けて寝たい場合も、外から手が入らないようなストッパーを併用するのがおすすめです。
「ほんの数分だから大丈夫」という油断がトラブルの原因になることもあるため、防犯意識は常に持っておきましょう。
2.明るく人通りのある場所に駐車する
車中泊をする際は、できるだけ明るく人通りのある場所に車を停めるのがおすすめです。
サービスエリア内でも、街灯が少ない端のほうや死角になる場所は、不審者に狙われやすく、防犯面で不安が残ります。
安心して過ごすためには、トイレや売店などの施設に近くて、周囲に人の気配がある場所を選びましょう。
明るい場所にいることで、万が一のときにも周囲から気づかれやすくなり、犯罪の抑止にもつながります。
また、複数の車が停まっている場所を選ぶことで、孤立感を減らし、不安も和らぎます。
駐車場所は「静かそうだから」と奥に入りすぎず、あえてある程度の人目がある位置を選ぶ意識が、防犯の基本です。
3.カーテンやサンシェードで車内を見えなくする
車中泊をする際は、外から車内が見えないように目隠しをすることで、プライバシーが守られます。
人影や荷物が外から確認できる状態では、車上荒らしに目をつけられるリスクが高まるので注意してください。
カーテンやサンシェードを活用して、しっかりと視線を遮るようにしましょう。
フロントやサイドだけでなく、リアガラスにも忘れずに対応することで、プライバシーと安全性の両方を確保できます。
また、外から中が見えない状態を作ることで、周囲の目を気にせず安心して休むことができます。
精神的にも落ち着ける空間となり、快適に過ごせるでしょう。
4.貴重品は目に触れない場所に置く
車中泊中は、財布やスマートフォン、ノートパソコンなどの貴重品が外から見える場所にあると、車上荒らしに狙われるリスクが高まります。
たとえ短時間でも、窓越しにバッグや電子機器が見えているだけで、被害につながる可能性があるので注意しなくてはいけません。
貴重品はダッシュボードの上や座席の上に置かず、シートの下やコンソールボックス、トランク内など、外から見えない場所に必ず隠すようにしましょう。
また、就寝時はすぐ手が届く位置にまとめておくと、万が一のときにも安心です。
ちょっとした心がけでトラブルの予防につながるので、貴重品の扱いには十分気をつけましょう。
5.防犯ブザーなど防犯グッズを備えておく
万が一の事態に備えて、防犯グッズをあらかじめ用意しておくのもおすすめです。
物理的な対策を講じることで、犯行を未然に防ぐ抑止力にもなります。
たとえば、車内に取り付ける簡易的な防犯カメラや、ドアや窓に貼る防犯フィルム、ハンドルに取り付けるステアリングロックなどは、外部からの侵入を防ぎたいときに有効です。
また、いざというときに大きな音が鳴る防犯ブザーも、手の届く場所にあると安心です。
防犯意識が高い車と見せるだけでも一定の効果があり、狙われにくくなる傾向があります。
完璧な防御は難しくても、できる対策を積み重ねておくことが、安心感につながります。
6.事前にSA・PAの様子を調べておく
初めて訪れるサービスエリアやパーキングエリアで車中泊をする場合は、事前に施設の情報を調べておきましょう。
現地で「思ったより暗い」「人通りが少なくて不安」と感じてしまうと、ゆっくり休むことができません。
NEXCOの公式サイトでは、トイレの位置や駐車場の規模、照明の有無、24時間営業の店舗があるかどうかといった、車中泊に役立つ情報が細かく掲載されています。
夜でも明るく人の出入りがあるサービスエリアを選ぶことで、防犯面の不安を大きく減らせます。
快適な車中泊を実現するためには、停めてから考えるのではなく、停める前に調べておくことが大切です。
7.連泊は控える
サービスエリアでの車中泊は、あくまで仮眠を目的とした一時的な利用にとどめるのが基本です。
NEXCO各社も「休憩のための停車は差し支えない」としていますが、明確に宿泊OKとしているわけではありません。
同じサービスエリアで連泊すると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
そのため、同じサービスエリアでの連泊や長時間の滞在は避けるのがマナーです。
同じエリアで車中泊をするときは、近隣の道の駅やRVパークなど、車中泊が歓迎されている施設を活用しましょう。
場所を適切に使い分けることで、トラブルを防ぎながら、安心して旅を続けられます。
車中泊でサービスエリア以外におすすめの場所3選
サービスエリアでは落ち着いて眠れないというときは、サービスエリア以外の選択肢も検討してみてください。
最近では、車中泊を前提とした施設や、休憩・宿泊に適した環境が整っている場所も増えてきています。
防犯や快適さを重視したい方は、車中泊に適した施設を候補に入れてみましょう。
ここでは、初心者でも安心して利用できる、サービスエリア以外の車中泊スポットを3つご紹介します。
車中泊でサービスエリア以外におすすめの場所3選
- RVパーク
- オートキャンプ場
- 車中泊ができる道の駅
用途や旅のスタイルに合わせて、ぜひ選択肢に加えてみてください。
1.RVパーク
RVパークは、日本RV協会が認定する車中泊専用の施設で、安心・安全に車中泊ができる環境が整えられています。
サービスエリアとは異なり、車中泊を歓迎している点が最大の特徴です。
多くのRVパークでは、トイレ・電源・水道・ゴミ処理スペースなどが完備されています。
中には温泉施設に併設されている場所や、観光地に近い立地のパークもあり、旅の拠点としても便利です。
多くのRVパークは予約制で有料ですが、数百円から数千円と比較的リーズナブルな料金で利用できます。
防犯面や設備の整った環境を重視したい方におすすめです。
車中泊に不慣れな方でも安心して利用できるので、初めての車中泊先としてぜひ検討してみてください。
北海道でRVパークを探している方は、以下の記事を参考にしてみてください。
2.オートキャンプ場
オートキャンプ場は、車でそのまま乗り入れてキャンプができる施設で、車中泊にも適した環境が整っています。
炊事場やシャワー、トイレといった基本的な設備が充実しており、快適さと安心感の両方を求める人におすすめです。
施設によっては管理人が常駐していたり、スタッフが定期的に巡回していたりと、防犯面でも安心できる体制が整っています。
また、ほとんどのキャンプ場では予約制・有料となっており、しっかりとした利用ルールが設けられているため、マナーの悪い利用者とトラブルになるリスクも低いでしょう。
キャンプを楽しむ家族連れやソロキャンパーが多く集まる場所でもあるため、アウトドアの雰囲気を味わいながら、ゆったりと車中泊を楽しめます。
下記の記事では、オートキャンプ場について詳しく解説しています。
3.車中泊ができる道の駅
道の駅は24時間利用可能な休憩施設として多くのドライバーに親しまれており、車中泊のスポットとしても広く利用されています。
ただし、すべての道の駅で車中泊が許可されているわけではなく、中には明確に禁止している施設もあるため、利用前に確認しておかなくてはいけません。
車中泊が許可されている道の駅では、人の出入りがあることで適度な安心感があり、防犯面でも比較的安心して過ごせます。
また、夜間も施設周辺が明るく照らされていたり、清掃や巡回など管理が行き届いている道の駅も多いです。
一方で、トラックのアイドリング音や来客の出入りによって完全な静けさを求めるのは難しいため、静かさよりも安心感を優先したい方におすすめです。
まとめ
サービスエリアを利用するときの不安を和らげるためには、事前の情報収集と基本的な対策が欠かせません。
ドアの施錠や貴重品の管理、明るく人通りのある場所に駐車する、カーテンやサンシェードでプライバシーを守るなど、ちょっとした心がけが大きな安心につながります。
さらに、防犯ブザーやサブロックなどのグッズを活用すれば、より安全性を高められます。
「サービスエリアを利用するのはやっぱり不安」、「同じエリアで連泊したい」というときは、RVパークやオートキャンプ場、道の駅といった他の車中泊スポットも検討するのがおすすめです。
初めての車中泊だからこそ、事前準備と正しい知識が大切です。不安を減らして、楽しい車旅のスタートを切りましょう。