この冬、車中泊を計画されている方は多いのではないでしょうか。
とくに初めて車中泊をされる方は、安易な考えだと危険な目に合う可能性があります。
車中泊における寒さ対策は防寒着や寝具、エアコンだけではありません。事前に正しい知識が必要です。
今回の記事では、冬の車中泊をするためにどのような対策があるのか、必要なアイテムややってはいけないこと、意外と知られていない車両を冷やさないコツなどを紹介していきます。100均一で揃うアイテムも多いのでご安心ください。
この記事でわかること
- 冬の車中泊は寒さ対策が必須
- 車中泊での必需品6選
- 車両を冷やさないための3つ対策
この記事を読めば、冬の車中泊が快適で安眠できるものになります。
1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
冬の車中泊は寒さ対策が必須!
真冬の車中は想像以上に冷え込みます。
少し前のデータですが、2014年2月、JAFが長野県で夜間(23~翌朝7時)の車内温度の低下状況のテスト(車内温度25℃まで温めエンジンを停止し、外気温-10.2℃から計測を開始)をおこなった結果、エンジン停止後には15℃以上低下し、3時間後には氷点下まで下がりました。
テスト終了時の車内温度は-7℃まで下がり、エンジン停止から、車内温度は外気温とほぼ同じくらいに近づいていく傾向ということがわかりました。
参照:JAF「クルマなんでも質問箱」
つまり、冬の車中泊は、寒さ対策が必須です。
直接風が当たらず標高の低いところに停めよう
いくら車内で防寒対策をしていても、高地や冷たい風が吹き荒れる地域ではやはり寒さ対策としては最良とはいえません。
車中泊の際はなるべく風の当たらない場所を選ぶようにしましょう。また、標高が低いほうが暖かいので、そのような場所に車を停めることが大切です。
また、あまり雪が降らず年間を通して比較的暖かい場所を選ぶのもおすすめ。山など標高が高いところに比べて、沿岸部などであれば比較的気温が高いでしょう。
もちろん雪があまり降らず気温が高めといっても、かなり冷えるので、防寒準備をしっかりするとより安心です。
エンジンで暖房をかけたまま寝るのはNG
冬の車中泊でやってはいけないことに、暖房をつけっぱなしで(アイドリングしたまま)適温を保とうとすることです。これは、毎年事故も多い事例なのでしっかり正しい知識を付けて覚えておきましょう。
とくに降雪地域では、寝ている間に積もった雪でマフラーが塞がれ排気ガスが車内に入り込み、一酸化中毒で死に至るケースがあります。さらに、エンジン音が周りに迷惑をかける可能性もあり、車中泊のマナーとしてもよくありません。
冬は暖房、夏は冷房をかけていれば快適に過ごせるという考えはやめるようにしてください。
エンジンをかけなくてもいいように防寒対策をするように心がけましょう。
原則、冬仕様ではない車の車中泊はしない
車中泊をするときに便利なのが冬仕様の車です。冬仕様の車の最も大きな特徴は「バッテリー」や「オルタネーター」の容量が大きい点です。
冷却水濃度も50%まで高められているので、外気温-35℃まで耐えられる設計になっており、冬の車中泊でもエンジントラブルなどがないので比較的安全といえるでしょう。
しかし、冬仕様ではない車は冷却水の濃度が20~30%で、外気温-10℃ほどしか耐えることができずそれ以上冷えると凍ってしまいます。
緊急時に夜間に車を発進させようとしても、すぐにエンジンがかからないなどのトラブルがあるので注意が必要です。
車中泊での寒さ対策|必需品6選
車中泊は防寒対策が必須になります。ここではそんな寒さ対策に便利なアイテムを紹介していきます。
これから車中泊をする人は、参考にしてみてください。
1.寝袋
車中泊で普通の布団を使うことはかなり難しいでしょう。場所を取ってしまう上に車中泊の寒さに耐えることができない可能性もあります。
そこでおすすめしたいのが、シュラフ封筒型AIFLYCY寝袋です。本格的な冬仕様の寝袋なので、車中泊でも快適に眠れ、安価で試してみたいのであればおすすめです。冬用で重さも約1.4㎏と軽く、防水・耐久性にも優れています。
さらに本格的な防寒がしたい方には、シュラフHusky(ハスキー)Anapurna(アナプルナ) 寝袋 もいいでしょう。価格は約4倍しますが、それだけの高級ダウンや、汗を保温性に変える繊維など高性能で、世界の極寒地でも認められているブランドです。
どちらも洗濯機での水洗いができるので、お手入れも簡単で使いやすい商品になります。
2.靴下やネックウォーマー
車中泊をする上で寝袋はもちろんですが、意外と風が入ってくることで寒さを感じやすいのが足元と首元です。この2箇所の防寒は怠らないようにしましょう。
そのためにおすすめなアイテムが、靴下とネックウォーマーです。隙間風だけではなく、体が冷えやすく体温を司る場所でもあるので冷えないようにしてあげることが大切です。
Bafupの靴下はウール素材で、冬にプッ足りの極厚裏起毛ソックス。防寒はもちろん、保温性は普通の靴下の5倍、足の熱量をしっかりとロックさせて、38℃恒温を実現します。厳冬な車中泊にピッタリのアイテムです。
ROCKBROS(ロックブロス)の冬用ネックウォーマーは裏起毛素材で防風、通気の二層構造になっているので、車中泊にもピッタリのアイテムといえます。鼻や耳が冷えると眠れないため、顔全体を覆うタイプのネックウォーマーは冬の寒い車中泊でも快適になるでしょう。
3.カイロ
冬の車中泊で欠かせないアイテムとして、「はるカイロ」は必須でしょう。常に体の温度を高く保つためだけではなく、寝袋の中の温度を保つ効果もあります。
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA) 使い捨てカイロ 貼るレギュラー 30枚ぽかぽか家族は、数も多く持続時間12時間なので大変使いやすいはるカイロです。
腰や足の裏など、冷える箇所に貼るのもおすすめですが、地肌に貼るのは低温やけどする可能性があるので絶対にやめましょう。
4.防寒インナー
真冬の車中泊では、寝袋だけではなく中に着る服にも注意をしましょう。厚着をしていても意外に外に熱を放出している可能性もあります。
車中泊でおすすめの服は、Teevaseoanのようなインナーダウンです。通気性と吸汗性が優れていて、着心地もいいので眠りに付きやすく、どんな動きにも体のラインにも沿うようなフィット感があり、長時間の着心地も快適です。インナーダウンは重ね着しやすく、空気の層があるほど、防寒能力は高いでしょう。
分厚い服をきこみすぎても寝苦しいので、インナーダウンは軽くて体の動きにフィットするので寝心地もよくおすすめです。
5.湯たんぽ
カイロと似ていますが、暖かい湯たんぽも真冬の車中泊では便利アイテムです。
尾上製作所(ONOE) 湯たんぽは昔ながらの湯たんぽです。適度な温度を保ってくれるので、熱すぎず、気持ちよく寝ることができるのが特徴。日本製で乾燥しない暖房としても冬の暖をとるアイテムとしておすすめですね。
湯たんぽでもう一つおすすめなのが、充電式湯たんぽです。充電式湯たんぽの特徴は、コンセントに繋げば、あっという間に温まるところです。15分の充電で8時間ほどの保温効果が続きます。
寝る1時間前に胸のあたりに湯たんぽをおくと、寝るときにあたたかいまま眠りにつけるのでおすすめ。充電式の湯たんぽは、明け方など足先が冷えるため、急速充電してすぐに使えるのも便利なポイントでしょう。
6.電気毛布
眠りにつく前や明け方などにも便利なのが電気毛布です。
モリタ電気毛布は、USB電源でも利用ができるのでUSB電源バッテリーがあれば、車でも利用可能なのでコンセントがないような車中泊にはぴったりなアイテム。
寝袋などの対策をした上で、補助的に電気毛布を使うのはいいでしょう。
モリタの電気毛布であれば、MAX充電で、約5時間の利用が可能となります。※10W5Vの出力で計算
最近の防寒アイテムはUSBを使うものが多いので、車中泊では活躍するものが多いです。電気毛布や充電式の湯たんぽだけではなく様々なあったか製品も出てきているので、ぜひ活用してみましょう。
車両を冷やさないための3つ対策
真冬の車中泊をするために、車両自体を冷やさないことは意外と知られていません。
ここでは車両を冷やさないための3つの対策を紹介していきます。
窓カバーをして冷気が入るのを防ぐ
冬の車中泊は、寝具や衣類も大事ですが車の防寒も重要です。
車の防寒は車外からの冷気を防ぐことが大切です。窓ガラスが大きな車は防寒対策をしない場合、冷気が車内温度をどんどん下げていってしまうので、窓ガラスの隙間から入る冷気を防ぐ防寒対策は必ず行うようにしましょう。
主な防寒対策として、全ての窓の内側を断熱性の高いもので覆うことです。
車種専用のシェードが一番効果的ですが、100均などで購入できる銀マットなどで自作して中川に厚手の布などを縫製すれば、車種専用のシェードよりも安価で作れるのでおすすめです。
車内温度をできるだけ上げないことは車中泊の大切な対策になります。
カーテンで窓と車内に空気の層をつくる
車の窓をシェードなどでしっかり防寒対策ができれば、さらに車内の温度を保つために車内を厚手の布で覆ってしまうのも防寒効果に期待できます。
車中泊するところに突っ張り棒など簡易的なカーテンレールを作り、厚手の布を吊るすようにすると二段階で外からの冷気をシャットアウトすることができるでしょう。
布は厚手のものになると重たくかさばってしまうので、フリースのように軽くて暖かい生地がおすすめです。すでに大判になっているソファカバーなどはカーテンとして使い勝手もいいでしょう。
突っ張り棒や厚手の布なども100均などで購入るつことが可能です。
ステップなど足元の空間を埋める
真冬の車中泊で見落としがちなのが、スライドドアのステップから入ってくる冷気です。
窓の防寒ができていても開けしめをおこなうステップ部分に防寒対策がないと、すぐに車内に冷気が入ってしまいますし、足元からの冷気は特に見落とすことが多いので簡単な対策でもいいのでやっておくと格段に車内の温度が変わります。
ステップ部分の簡単な防寒対策は、ステップ部分から冷気が入らないように物でふさいでしまうことがベストでしょう。
車中泊の間だけ必要なものなので、衣類やひざ掛けなど、汚れないようにビニール袋に入れてステップ部分を塞ぐといいですね。簡単な対策ですが、抜け目なく車の防寒対策をしたい方にはおすすめです。
まとめ
今回は冬の車中泊の寒さ対策についてご紹介しました。
真冬の車中泊を甘く見ると命の危険もあることは意外と知らない方も多かったと思います。
寒さ対策の注意点も踏まえてまとめたので、冬の車中泊を計画している方はこの記事を参考に備えていただけるでしょう。
ときに自分の命の危険もある車中泊なので、低体温症や凍傷にならないためにも寒さ対策を万全に備えて冬の車中泊を満喫してくださいね。