真冬の車中泊を検討する際、ヒーターは必要不可欠です。
ガソリン切れや一酸化炭素中毒のリスクがあるため、停車状態で長時間エアコンをつけたままにはできません。
本記事では、車中泊で使用するヒーターの基礎知識、選ぶ際のポイントやおすすめについて紹介します。
この記事でわかること
- 車中泊で使うヒーターの種類
- 車中泊におけるヒーターを選ぶ3つのポイント
- つけっぱなしにできるUSB式ヒーター
- 外部電源が使える車中泊でおすすめのヒーター
この記事を読めば、あなたにとって必要なヒーターがわかり、最適な選択ができるでしょう。
1971年北海道生まれ、旅行・サウナ・温泉・サーフィン・スノーボード・釣り・キャンプなど北海道のアウトドアを楽しむ。自らもキャンピングカーで日本縦断やアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどを巡り、北海道ローカルが楽しむ本物の北海道の素晴らしさを世界に発信。海外同様のキャンピングカー旅文化を広げるために、現在は北海道ニュージーランド化計画を推進中
真冬の車内は外気温とほとんど変わらない
真冬の車中泊の車内温度は外気温とほとんど変わりありません。
JAFでは2014年に車内温度のユーザーテストを実施しました。
外気温-10.2℃の長野県で夜間(23時~翌7時)に実施され、車内温度を25℃まで上昇させた後にエンジンを停止させます。
結果は1時間で車内温度は10℃以下、3時間で0℃以下になりました。
結論として、エンジンを停止した車内では外気温の影響により急激に温度が下がります。
また、エンジンをつけっぱなしにしていると、一酸化炭素中毒を起こす可能性があるためエアコンの連続使用は難しいです。
外気温と変わらない温度帯の車内で寝るのは現実的ではなく、防寒やヒーターは必須です。
車中泊で使うヒータの種類は2つ
車中泊で使用可能なヒーターの種類は以下の2つです。
車中泊で使用するヒーター
- FFヒーター
- 電気ヒーター
FFヒーターとは、forceddraughtFluesystems(強制吸排気式)を略したものです。
燃料はガソリンを使用しているため、エンジンを停車させた状態でも使用できます。
また、ヒーターそのものに換気機能が備わっています。
初期費用として、10万円から30万円程度必要ですが、低燃費で暖める力も強いです。
電気ヒーターは、製品ごとに仕様が異なります。
セラミックは、狭い範囲を手早く暖めたい方におすすめです。
パネル式は暖める力は強いですがセラミックよりも大型のタイプが多く、オイル式は大型で広い範囲をゆっくりと暖めます。
車中泊におけるヒーターを選ぶ3つのポイント
車中泊で使用するヒーターを選ぶポイントは以下の3つです。
車中泊で使用するヒーターを選ぶポイント
- 低温やけどに注意する
- 可燃物を近くに置かない
- 一酸化炭素中毒にならないものを使う
それぞれについて紹介していきます。
低温やけどに注意する
低温やけどとは、通常ではやけどしないような温度帯で起こる熱傷を指します。
湯たんぽやカイロなどの低い温度の熱源に、長時間肌が触れ続けると起こります。
低温やけどの特徴は、最初はあまり問題がいないように見えても、時間の経過とともに徐々にやけどが深くなっていく点です。
人は熱いものに触れると反射的に手を引きますが、低い温度ではそのまま放置しがちです。
長時間触れ続け、肌の下の皮下脂肪まで熱が伝わると重症化につながります。
重症化のリスクを避けるためにも、熱源が肌に触れていないかはこまめにチェックしましょう。
可燃物を近くに置かない
ヒーターを使用する際は火災の危険性を把握し、注意を怠らないようにしましょう。
冬は空気が乾燥し、物が燃えやすい季節です。
そのため、小さな火種であっても火災につながるリスクがあります。
また、ヒーターで火事が起きる原因は、燃えやすいものを近くに置いている場合がほとんどです。
ヒーターの使用中に燃えやすいものが近くにあると、長時間加熱されて火がついてしまいます。
火災のリスクを把握し、ヒーターの周辺にはなるべくものを置かないようにしましょう。
一酸化炭素中毒にならないものを使う
車中泊で車内エアコンや暖房器具を使用する場合、一酸化炭素中毒のリスクがあるため注意しましょう。
一酸化炭素中毒は、車内に一酸化炭素が充満すると起こります。
定期的に換気を実施し、車内に一酸化炭素が充満するのを防げば予防できますが、冬の車中泊では定期的な換気は怠りがちです。
換気が不十分な状態で寝てしまうと、気づかない間に車内に一酸化炭素が充満し、最悪命の危険性につながるリスクもあります。
あらかじめリスクを遠ざける意味でも、車中泊をする際のヒーター選びは一酸化炭素中毒にならないタイプを選びましょう。
朝までつけっぱなしにできるUSB式ヒーター4選
ここからは、朝までつけっぱなしにできるUSB式ヒーターのおすすめ機種を、4つ紹介します。
車中泊で、つけっぱなしにできるヒーターをお探しの方は、ぜひご覧ください。
電気ベスト MIRIKOO「ヒーターベスト 7.4V」
電気ベストは伸縮性があるため、就寝時だけでなく日中の寒い時間などにも使用可能です。
モバイルバッテリーが付属しており、使用すると約5秒で発熱し身体の冷えやすい12の部位を温めてくれます。
ボタン操作による3段階の温度調節機能付きで使い勝手も良いです。
すぐに暖まりたい方におすすめの45℃設定から、高温の65度まで設定可能です。
補足:おすすめのUSBバッテリー
USB式のヒーターを使用していて心配になるのが、電源切れです。
不意に電源が切れてしまうと使用できなくなるため、万が一の備えとしてモバイルバッテリーを準備しておくと安心です。
モバイルバッテリーにはいろいろな種類がありますが、5V・2Aの製品であれば20時間程度、連続使用ができます。
ただし、長時間使用し続けるとバッテリーの劣化につながるため、連続使用の目安としては16時間程度と意識しておきましょう。
電気毛布 MORITA「TMH-1070」
電気毛布は、就寝前や明け方の寒さ対策におすすめです。
モリタ電気毛布は、USB電源で利用可能で、USB電源に対応したバッテリーがあれば車中での使用ができます。
モリタ電気毛布は、MAX充電で約5時間使用可能です(10W・5Vの出力で計算)。
熱が逃げないよう、保温をしっかりとした状態で使用すれば、就寝前から朝方まで寒さを感じにくく寝られるでしょう。
セラミックファンヒーター Aidina「FOCHEA」
FOCHEAは冬の寒い日に暖を取るだけでなく、夏の暑い日にも活躍する多機能な家電です。
自然送風、低温、高温の3段階調節が可能で、洗濯物を乾かすための循環扇としても使用できます。
安全性にも優れ、転倒保護と過熱保護機能を搭載し、火災のリスクを効果的に防いでくれそうです。
電気マット Kiyotani「NSD-01」
Kiyotaniの「NSD-01」は、3段階の温度調節機能、スナップ連結でサイズ調節が可能な点が特徴です。
電源をつけると、約10秒で暖まる点も大きな魅力です。
電源はUSB給電式となっており、車中泊などでも気軽に利用できます。
また、USB式の延長コードが付属しているため、車中泊での利用以外にも家やオフィスなどでも幅広く活用可能です。
外部電源が使える車中泊でおすすめのヒーター3選
この章では、外部電源が活用できるおすすめのヒーターを3つ紹介します。
外部電源が使えるため、不意の電源切れで寒い思いをするリスクが避けられるためおすすめです。
susurrus セラミックファンヒーター「S710」
S710はスイッチを押すと約3秒で高温風が吹きます。
高温風(1000W)、中温風(600W)、自然風の3段階を素早く切り替え可能です。
重さもわずか0.6kgで取り回しやすくなっています。
また、セラミックファンヒーターは一酸化炭素が発生しないため、換気の必要もありません。
さらに、温度が異常に上昇すると自動的に電源OFFになるため万が一のリスクへの対策もなされています。
補足:ポータブル電源の利用すれば場所を選ばない
外部電源使用可能なヒーターを使用する場合、ポータブル電源を準備しておくと便利なためおすすめです。
「suaoki」は160,000円(税込)と高額ですが、6種類のデバイスを同時に8台まで使用できる高機能・高出力の製品です。
電化製品だけでなく、カーバッテリーの充電にも使えるため非常時にも対応できます。
「GRECELL」は合計10台まで同時にデバイスを使用でき、価格も43,800円(税込)と比較的手に入れやすい値段帯です。
DREO セラミックファンヒーター「DR-HSH004」
DR-HS004は電源をつけると2秒で暖かい風が吹きます。
1200W・800W・700W・エコ・ファンの5つのモードを自由に切り替え可能です。
気温に応じて使い分けできるため、真冬以外の季節でも使用できます。
また、周囲の温度に応じて自動的にモード設定が切り替えられるため、温度を調節する必要がありません。
さらに、1℃単位での温度設定(5℃から35℃)もでき、お部屋の温度を快適に維持できます。
TOHO セラミックヒーター「RLC-BHMINI」
RLC-BHMINIはコンパクトながらも、高機能な点が魅力です。
独自形状の内部パネルにより熱を効率よく反射し、消費電力の約2倍の暖かさを感じられます。
転倒しにくく安定しやすい形状で、本体上部には持ち運びやすいよう取手がついており便利です。
本体側面のつまみを回すだけの簡単操作で、200W/400Wの2段階での温度調節が可能です。
まとめ
今回は車中泊で使用可能なヒーターについて、注意点やおすすめの機種などを紹介しました。
真冬の車中泊では命の危険性もあるため、防寒対策は必須です。
車中泊でヒーターを使用する際は以下の3点に注意しましょう。
車中泊でのヒーター使用の注意点
- 低温やけどに注意する
- 可燃物を近くに置かない
- 一酸化炭素中毒に注意する
また、使用するヒーターはUSB式をおすすめします。
USB式のタイプであればUSBバッテリーさえあれば長時間の連続使用もでき、一酸化炭素中毒のリスクもないためこまめな換気なども必要ありません。
そのほか、外部電源を使用できる製品もあるためそれぞれのメリットやデメリットを把握するようにしましょう。
車中泊を検討している方はこの記事を参考に、準備をしてみるのはいかがでしょうか。